水辺のイルミネーション『KOBE BUBBLUMI 2026(コウベバブルミ)』が開催

 

イベント名   KOBE BUBBLUMI 2026

開催日     2026.3.20-4.19

時間      イルミネーション:日没~21:30

イベント概要  アリーナ西側・マリーナ開業予定地の水辺をアートキャンバスに見立て、オーストラリア最大級のカルチャーイベント:Vivid Sydneyでも好評を博したアーティスト:Atelier Sisu(アトリエシス)を招聘し開催。昼はシャボン玉のようなきらめくバブルアート、夜はライトアップしたカラフルなイルミネーションとして、BUBBLE×ILLUMINATION が訪れる時間帯によって異なる印象で楽しめます。アジア初開催となる神戸ウォーターフロントの「新感覚なイマーシブアート体験」にご期待ください。

 

(TOTTEI KOBE ホームページ)

 

【観覧無料】イマーシブな水辺のイルミネーション『KOBE BUBBLUMI 2026(コウベバブルミ)』 | EVENT : TOTTEI | GLION ARENA KOBE

 

 3月20日から4月19日までの1か月間の会期で、新港第一突堤と第二突堤の間のエリアにおいて、『KOBE BUBBLUMI 2026(コウベバブルミ)』が開催されている。

 このイベントは、海外の新進気鋭のアーティストを招聘し、アジア初開催となる挑戦的な取り組みであり、非常に注目される。

 

 実際に現地を訪れてみた。

 夜の波静かな港の水面を、無数の発光する球体が、時間とともに様々に色調を変えながら、ゆらゆらと漂っているその姿は、非常に美しくまた神秘的である。わずかな波が光を揺らし、ただ静かに、護岸を洗うかすかな波音が心地よい。周囲は、アリーナや、メリケンパーク、三宮のビル群に囲まれて、美しい夜景も楽しむことができる。

 今回のイベントは、都心に隣接して、広大な灯りのない空間を抱えるという神戸の街の特性にきわめて相応しいものであるように感じる。

 初日であったせいか、それほどの人出もなかったが、もっと多くの人が訪れてもよい、とても上質のイベントであると思われた。できれば、今回だけに限らず、毎年、恒例で実施すれば、神戸の観光名所になるのではないだろうか。

 

 今回のイベントでは、神戸ゆかりの企業が多く協賛をしている。

 その中に、大手商社の兼松株式会社が入っており、同社は次のようにプレスをしている。

 

兼松、神戸・新港町にて開催されるイルミネーションイベント「KOBE BUBBLUMI」 に協賛

 

 兼松株式会社(以下、「兼松」)は、2026年3月20日(金・祝)から4月19日(日)まで神戸・新港町にて開催されるイルミネーションイベント「KOBE BUBBLUMI 2026」に協賛いたします。

 兼松は、創業の地である神戸にルーツを持つ企業です。 現在、新港町を中心とするウォーターフロントエリアでは、アリーナやスーパーヨットマリーナの整備などを含む再開発が進められています。創業の地である「みなとまち神戸」のにぎわい創出に向けた取り組みに共感し、本イベントへの協賛を決定しました。

(中略)

 兼松は本協賛を通じて、神戸ウォーターフロントエリアのにぎわい創出に貢献するとともに、今後も地域のステークホルダーと連携しながら、その発展に寄与してまいります。

 

(同社ホームページ (2026.03.19))

 

兼松、神戸・新港町にて開催されるイルミネーションイベント「KOBE BUBBLUMI」 に協賛

 

 その記載にもあるように、兼松は神戸で創業、発展した企業で、今でも登記上の本店は神戸市中央区伊藤町に置いている。海岸通に現在も残る「海岸ビルヂング」はかつての兼松商店の本社である。また、神戸大学内にある兼松記念館のクラシカルな建物は1934年に兼松商店が商業研究所として大学に寄贈したものである。このような神戸ゆかりの企業が、神戸の活性化のために協賛をしてくれているのは、心強い限りだ。

 

 

 

 

 以下、蛇足ながら、静かなイベントなので賛否はあるかもしれないが、ところどころにBGMを流す時間があってもよいかもしれないと感じた。美しい光景と感動的な音楽の相乗効果で、より強い印象を残すのではないだろうか。音楽はできるだけ、静かな抒情的なものがよいと思う。例えば、ベートーベンの「皇帝」の第二楽章や、リストの「慰め」、ポップなところでは、10CCの「I’m Not In Love」、セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On]などがよいのではないだろうか。

 

 

見失われた宝石 神戸の再発見

 先日、イギリスの大手メディア「インデペンデント」に神戸が取り上げられた。「神戸でするべきこと:過小評価されている日本の都市、オーバーツーリズムからの脱出に最適」として神戸が紹介されている。

 

What to do in Kobe: the underrated Japanese city that’s perfect for escaping overtourism | The Independent

 

 その要旨は次のとおりである。


 日本は今、オーバーツーリズムに喘いでいて、大阪、京都、東京といった有名都市では、観光スポットの混雑やホテルの満室が当たり前となっている。その中で神戸という穴場があるという内容である。大阪、京都から1時間以内という近さにあり、日本第6位の都市でありながら、驚くほど正当な評価を受けていない。外国人の宿泊客数は100万人にも満たず(2024年)、神戸がかつて歴史的に世界への玄関口であったことを考えると皮肉なことだと述べている。


 そして、具体的には、神戸でするべきこととして次の事項を紹介している。

1)歴史と癒やしの「有馬温泉」 日本最古かつ最もアクセスの良い温泉、泉質のよい金泉、古い歴史を持つ魅力的な芸妓文化

2)神戸牛の真髄を味わう 神戸牛の品質の確かさと圧倒的で比類のない美味しさ

3)日本酒の聖地、灘五郷 神戸は日本酒生産の中心地、地元の宮水、山田錦が生み出す旨さ

4)高級ブティックからストリートブランド、古着屋まで充実かつ落ち着いたショッピング

5)散策も楽しい街 北野地区のドイツ風の「風見鶏の館」、アメリカ風の「萌黄の館」、多文化な過去を物語る建築物「神戸ムスリムモスク」、生田神社、新幹線でわずか15分の日本最大で最も保存状態の良い「姫路城」

 

 そして、上記を総括し、国内の賑やかな観光拠点を巡った後に、静かでゆったりとした神戸は素晴らしい休息の場であるという。最後に、「独自の文化、美味しい食事、便利な温泉、そして最高のショッピング、これほど魅力が詰まった街が、いつまでも「秘密の場所」のままでいるとは思えない。」と締めくくっている。

 

 インデペンデントはイギリスの新聞で、2016年に紙媒体は終了して完全オンライン化し、デジタルでは英有力紙の中で最大級の到達規模を誇る。イギリス、アメリカを中心にカナダやオーストラリアなど英語圏で広く閲覧され、読者は世界で1億人程度あり、世界的な影響力を有するグローバルメディアであるとのことだ。

 

 上記の記事を見ての感想を述べる。

(1)現在の神戸はどうみられているか
 まずは、神戸は「過小評価」されているのだという点。過小評価であるということは、つまり、海外ではあまり知られておらず、海外からの観光客も非常に少なく、観光都市としても認知度が低いということである。神戸はかつて歴史的に世界への玄関口であったにもかかわらず、この現状は皮肉であると述べられている。その現状を前提として、もっと評価されてよいはず、というのがこの記事である。かつては世界最大のコンテナターミナルを誇る国際港湾都市は、神戸港の地盤沈下とともにはるか昔のことであるようだ。


(2)外国人がみる神戸の魅力

 記者が挙げる「神戸の魅力」が、有馬温泉、神戸ビーフ、灘の酒と、大昔から言われていたものと全く変わらないということに少し驚きを感じる。近年神戸市が力を入れている、六甲山や里山、下町などは外国人にとって関心外のようだ。

 

(3)この記事による影響
 この記事は、当該メディアの有する影響力から考えて、今後、神戸への海外の観光客の来訪、宿泊が大幅に増える可能性は高まると考えられる。記事にあるとおり、京都、大阪、姫路が近いという情報から、神戸が滞在拠点となり、周辺を周遊するプランも増えることが予想される。筆者が以前にも論じたように、神戸は長期間滞在し、周囲を周遊観光するのに非常に適合的な都市である。なぜならば、神戸は住むのに適した都市であるといわれているからだ。住むように滞在して、神戸市民と同様に日帰り観光を楽しむのは神戸の最も上手な活用に仕方であろう。

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 神戸空港開港後、外国人の観光客が顕著に増加したように感じられる。特に目に付くのは、単身ではなく、家族連れで、夜間、日本人がいなくなってしまう午後8時以降に、子供をつれて街中を散策する姿である。皆、ラフな服装で、ゆったりと歩いている。その姿は、京都や大阪で見る姿とは少し異なって、ゆっくりとくつろいでいるように見える。まるでリゾート地のようだ。神戸は、それらの都市と比べると観光客も少ないせいもあるが、歩行者空間が確保されて安全で、治安もよいと認識されているのではないか。筆者は、通りかかった際に、外国人観光客から道を尋ねられたり、写真撮影を頼まれたりしたことが何度かある。それほど、神戸は警戒感なく気ままに散策できる街なのだろう。

 そうした中で、この記事には触れられていない、ウオーターフロントや六甲山、須磨、舞子などの神戸の自然、風土に対する魅力も次第に理解されてくるのではないか。

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 

 海外旅行の魅力は、その国の観光地を見ることももちろんであるが、その国の社会や生活を見るのも大きな楽しみだ。これまで、外国人が多く訪れたのは東京、京都、大阪であるが、それらは日本の歴史や文化の誇張されたものであって日本の日常とは決して言えない。そうした戯画的な日本ではなく、本当に日常的な穏やかな日本人の生活を見るのに、過度に観光地化されておらず、海、山、都会がほどよく集まった神戸の街は最も適した都市であると言えるだろう。

 外国人の間で神戸が居住に適した都市であるとの理解が高まれば、かつてのように、欧米や中国から多くの人々が神戸に居を構えて生活することもまた復活するかもしれない。さらに、生活の拠点を神戸に移し、神戸でビジネスを行うものも増えるかもしれない。外国の企業が、従業員の生活環境の観点から、神戸に拠点を構えることも増えてくるかもしれない。

 

 神戸は国際都市として発展してきたが、神戸港の相対的地位の低下とともに、海外の人々の視界から消え、「見失われた都市」となっていた。しかし、再び神戸を発見する者が現れ始めた。記者は「これほど魅力が詰まった街が、いつまでも「秘密の場所」のままでいるとは思えない。」と述べている。この記事は、神戸が世界の人々から「再発見」されつつあるという兆候として注目すべきであろう。

 

三宮再開発がもたらす効果

 

 

 現在、三宮再開発の工事が諸々進められているが、その完成後の姿を、神戸市の予想図から想像してみた。

 西から、阪急三宮ビル、JR三ノ宮ターミナルビル、バスタ三宮2期、バスタ三宮1期で、手前の薄緑色の小ぶりなビルが現在のミント神戸である。そして、その前面に、それらのビルを一直線に結ぶペデストリアンデッキがある。実際に現地に立ち、ミント神戸を基準にその姿を想像してみると、ミント神戸の倍近い高さのビルが3棟並ぶことになり、それぞれの低層部においてもミント神戸の半分程度の高さがあることになる。それらに囲まれた東急インはもはや小さくさえ見える。それらのビル群はまさに壮観で、それを目の当たりにする人々に強烈なインパクトを与えないではおかないだろう。

 

(三ノ宮ターミナルビル)




(三ノ宮駅ターミナルビルとペデストリアンデッキ)




(バスタ三宮1期)

 


 三宮再開発は、新ターミナルビルおよびバスタ三宮1期、2期の完成によって、単なる交通利便性の向上や施設更新にとどまらず、神戸という都市の位置づけそのものに影響を与える可能性を持っている。

 これまでの三宮は、鉄道・バスが集中する交通結節点でありながら、「都市の中心」としての視覚的・象徴的な存在感を十分に備えていたとは言い難かった。多くの来訪者にとって三宮は通過点であり、滞留や集積の核として強く認識される場所ではなかった。この点において、三宮は機能的中心ではあっても、直感的に理解される都市の顔を欠いていた。

 しかし、新たなターミナルビルと大規模バスターミナルの整備によって、三宮は明確な都市の中心を獲得する。建築ボリュームや都市空間の構成がもたらす視覚的効果は、神戸が大都市であることを強く印象づける。都市における「見え方」は、人々の認知や行動選択に大きな影響を与える。三宮再開発は、神戸を視覚的にも第一級の都市として認識させる契機となるだろう。

 この点で重要なのが、西から関西圏へ流入する交通流動の存在である。新幹線、在来線、高速バスなど、西日本からの人の流れは一度神戸を通過し、その多くが大阪へ向かってきた。これまで神戸は、その流動を十分に受け止める都市的吸引力を持ちえなかったが、三宮が明確な大都市的中心として立ち上がれば、「とりあえず大阪へ行く」という惰性的選択は揺らぐ可能性がある。視覚的に都市の格を示すことは、人の流れを引き留める力として決定的に作用する。

 この効果は、人の流動にとどまらず、企業の拠点選択行動にも波及する。三宮の業務都心としての核が明確化すれば、市内に分散していた事業所や本社機能の三宮集積が進むことが予想される。また、関西圏への新規進出を検討する企業にとっても、三宮は梅田や難波と同様の選択肢として現実味を帯びるだろう。大阪とは異なる都市イメージを持ちながら、高度な交通利便性と最新の機能的な業務環境を備えた拠点としての評価が形成されるからである。

 こうした変化が積み重なれば、神戸は観光都市や住宅都市という従来の枠を超え、関西圏における業務都心の一角として再定義される可能性を持つ。三宮再開発の意義は、短期的な利用者数や経済効果では測りきれない。人々の認識を変え、選択行動そのものに影響を与える可能性がある。

 三宮再開発の効果は、現在考えられている以上に大きく、かつ長期的に継続するものであると考えられる。神戸が再び関西圏の中で存在感を高めるか否かは、この新たな都市の顔をいかに定着させ、周辺地区と連動させていけるかにかかっている。三宮再開発は、その分岐点に位置する事業である。

The Eight Scenic Views of Kobe

Kobe is a beautiful city. Moreover, its scenery is not uniform but remarkably diverse, its many changing faces comparable to a kaleidoscope. This essay attempts to express the charm of these varied landscapes through the traditional format of the “Eight Views,” as seen in such celebrated sets as the Eight Views of Ōmi and the Eight Views of Kanazawa.

Kobe’s richly contoured terrain—where land, sea, and sky contend with one another—creates numerous magnificent vistas at their points of convergence. Yet this very abundance can sometimes diffuse the city’s overall image. By deliberately framing the subject within the discipline of a set form, we seek to carefully select and present representative scenes. The “Eight Views of Kobe” are eight carefully chosen locations that together offer a three-dimensional understanding of the city and highlight a beauty unique to Kobe, born of its geography and history.

 

View One: Meriken Park as Seen from Harborland

The first view presents Kobe Port as seen from the urban district. The familiar Kobe Port Tower and the sweeping roof of the Kobe Maritime Museum stand beautifully against the blue sea and sky. This angle corresponds to that of the famous ukiyo-e print Sesshū Kobe Kaigan Han'ei no Zu (Prosperity of the Kobe Coast in Settsu Province).

 

 

View Two: Kobe Ohashi Bridge and the City from North Park

The second view is the cityscape of Kobe as seen from the sea. From Port Island, an artificial island, one sees the vast Kobe Ohashi Bridge stretching toward the city center, backed by the Rokko mountain range rising like a folding screen—an unmistakably Kobe landscape. When a large passenger ship is in port, it further enhances the scene.

Although other vantage points on Port Island—such as Shiosai Park with its “BE KOBE” monument and the Portopia Hotel—offer fine views, North Park, with Kobe Ohashi Bridge directly before it and the striking contrast of blue sea and sky, is chosen as the foremost.

 

 

View Three: The Kobe Cityscape from Mount Shishō

The third view looks down upon Kobe from the Rokko mountain range. One can clearly see how the city spreads out around the harbor. From here, the Port Tower seen in the first view, Port Island and Kobe Ohashi Bridge from the second view, and the full extent of the cityscape can all be grasped at a glance. One can also perceive how Hyōgo-no-Tsu, and later Kobe Port, developed within the inlet protected by Wada Misaki, stretching eastward from the Akashi Strait.

There are many viewpoints in the Rokko range—Mount Rokko, Mount Maya, and Nunobiki Herb Garden among them. Yet Mount Shishō, facing directly over the heart of Kobe Port, may offer the most beautiful perspective. Notably, illustrations in The Illustrated London News documenting the opening of Kobe Port in the late Edo period were drawn from this direction.

Though slightly less accessible than the first two sites, Venus Bridge at the foot of Mount Shishō provides a convenient alternative, with a nearby bus stop. While lower in elevation, its proximity to the city offers a more dynamic panorama.

 

 

View Four: The Modern Architecture of Kaigan-dōri

Kaigan-dōri in Kobe refers to the area along the harbor south of the former foreign settlement established at the opening of Kobe Port. Although the settlement was returned to Japan in 1899 (Meiji 32), the district continued to flourish as the central business area of the port, where shipping companies competed to erect imposing stone office buildings.

Today, with port functions shifted offshore to artificial islands, most shipping firms have relocated. Nevertheless, the district retains special status as one of Kobe’s premier office areas. Within the former settlement stands the Daimaru department store, which has repurposed historic stone buildings into retail spaces housing numerous luxury brands, forming a major shopping district. At night, illuminated façades heighten the beauty of the stone architecture. The annual Kobe Luminarie light festival is also held here. Nearby to the west lies Nankinmachi, one of Japan’s three great Chinatowns.

 

 

View Five: The Kitano Ijinkan District

After the opening of Kobe Port, many foreign residents settled in the city, building homes along the hillside. A representative example is the former Thomas House, popularly known as the Weathercock House. Though many have been lost, dozens of Western-style residences remain, forming what is known as the Kitano Ijinkan district. Located midway up the slope of Kitano, the area still overlooks the port.

Compared to the famous Glover Garden residences in Nagasaki, Kobe’s ijinkan are notable for their vivid colors and diverse, distinctive designs.

 

 

View Six: The Akashi Strait and the Akashi Kaikyo Bridge

Maiko Beach, long famed for its scenic beauty and once lined with villas, faces Awaji Island across the Akashi Strait, which is about two kilometers wide. Today preserved as Maiko Park, it retains the villa Ijōkaku, built in the Taishō era by the Kobe trader Wu Jintang, evoking memories of bygone days.

Spanning between Maiko and Awaji Island is the Akashi Kaikyo Bridge, with a total length of 3,911 meters and a central span of 1,991 meters. When opened in 1998, it was the world’s longest suspension bridge. Though it has since yielded that title, its twin towers rising from the sea and massive truss deck remain overwhelmingly impressive. This site marks the western edge of Kobe’s municipal boundary, beyond which lies Akashi.

 

 

View Seven: Suma Beach

Suma Beach lies west of central Kobe, east of the Akashi Strait. Known for its white sands and green pines—its sands derived from the granite of the Rokko range—the beach is backed by pine groves. To the west rises Mount Hachibuse, where the Rokko range begins. The composition of mountain thrusting into sea, viewed across the sandy shore, resembles a mirror image of Hawaii’s Diamond Head.

A ropeway ascends Mount Hachibuse to the Sumaura Sanjo Amusement Park, from which one can see the Akashi Kaikyo Bridge to the west and the long stretch of Suma Beach extending toward Kobe’s city center to the east. As the only swimming beach in the Hanshin area, it is lively with marine sports such as yachting and windsurfing. Nearby stands Suma Sea World, where orcas and dolphins swim.

 

 

View Eight: Kobe and Osaka from Mount Rokko


Right Panel: Kobe Side

 

Left Panel: Osaka Side

 

The eighth view is the panorama of Kobe and Osaka seen from atop Mount Rokko. From elevations exceeding 900 meters along the Rokko range, which runs east–west along the northern shore of Osaka Bay, one can take in an immense panorama: Awaji Island to the west, central Kobe, Port Island, Kobe Airport, Rokko Island, the city of Osaka, and the entirety of Osaka Bay.

At night, city lights begin to glow, and the bay appears like a sea of light—long celebrated as the “ten-million-dollar night view.” Since capturing this full expanse in a single photograph is difficult, it may be likened to a folding screen, with the western half as the right panel and the eastern half as the left.

Visitors who behold this grand panorama can survey the entirety of the Eight Views of Kobe. Standing atop the long Rokko range connected to the Akashi Kaikyo Bridge, facing Awaji Island across Osaka Bay, one can grasp in vivid clarity the full figure of Kobe stretching along the mountain’s foothills—as if holding the city in the palm of one’s hand.

 

 

Kobe boasts a multitude of beautiful landscapes, each of the highest order. Yet none alone fully defines the city. Rather, its charm lies in the concentration of diverse scenic beauties within a remarkably narrow area, unified by the Rokko mountains as its backbone. The “Eight Views of Kobe” seek to crystallize this multifaceted beauty into a single coherent whole—rendering it visible, as though placed gently upon one’s palm.

神戸八景

 神戸は美しい都市である。しかも、その風景は一様ではなく多様なその姿は万華鏡にも喩えられる。この多様な景観の魅力を近江八景や金沢八景などのように「八景」という伝統的様式を使って表してみようというのが本稿の試みである。この神戸の陸と海と空がせめぎ合う起伏に富んだ地形は、その先端において、いくつものすばらしい景観を生み出している。しかし、そのことが逆に、神戸のイメージを散漫にするきらいがある。そこをあえて、様式で縛ることにより対象を厳選しようとするのである。神戸という都市を立体的に理解するとともに、地理的、歴史的特徴に由来する神戸ならではの美観を8か所厳選したものが「神戸八景」である。

 

第一景 ハーバーランドから見るメリケンパーク

 第一景は、市街地から見る神戸港の風景である。おなじみのポートタワー、海洋博物館の大屋根等が青い海と空を背景に美しい景観を作っている。このアングルは、有名な浮世絵「摂州神戸海岸繁栄之図」と同じである。

 

第二景 北公園から見る神戸大橋と市街地

 第二景は、海から見る神戸市街地の風景である。人工島ポートアイランドから見た市街地の風景で、巨大な神戸大橋の先に市街地が広がり、その背後に六甲山系が屏風のように連なる、神戸ならではの景観である。大型客船が入港している場合は、その姿も合わせて見ることができる。

 ポートアイランドから見る市街地の風景としては、この他にも「BE KOBE」のモニュメントがあるしおさい公園やポートピアホテルなどのビューポイントがあるが、神戸大橋が目の前に見え、青い海と空との強烈なるコントラストを描く北公園を第一とした。

 

第三景 市章山から見下ろす神戸市街地

 第三景は、六甲山系から見下ろす神戸市街地の風景である。港を取り巻くように市街地が広がっている様子がよくわかる。第一景で見たポートタワー、第二景で見たポートアイランドと神戸大橋、そして神戸市街地の全容が一望で把握できる。そして、明石海峡から東側に伸びる和田岬に守られた入江の中に兵庫津、そして現在の神戸港が開けたという姿を見て取ることができる。

 六甲山系から見下ろす市街地という景観は、他にも多くのビューポイントがある。六甲山、摩耶山、布引ハーブ園などが有名である。しかし、神戸港の中心部を真正面に見下ろす位置にある、この市章山の景観が最も美しいのではないかと思う。

 なお、幕末の神戸港開港時の様子を精密に記録した「イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ」のイラストもこの方向からの景色である。

 この第三景は前の二つと異なり、市街地の外れにあって、いささかアクセスがよくない。市章山の麓にあるビーナスブリッジならば、路線バスの停留所もあって、よりお手軽だ。市章山よりは視点が低くなるが、市街地に近いので、より迫力のあるパノラマを見ることができる。

 

第四景 神戸・海岸通の近代建築群

 神戸・海岸通は、神戸港が開港された当時に開発された外国人居留地の南側の港に接した一帯をいう。居留地は1899年(明治32年)に日本に返還されたが、その後も神戸港の中心業務街として栄え、海運会社が石造の重厚な近代建築を競って建てた。今現在は、港の機能も沖合の人工島に移ったため、海運会社はほとんど転出したが、今でもオフィス街として、神戸の中でも特別のステイタスを持つエリアである。外国人居留地の一角にある大丸百貨店は、周辺の古い石造のビルを商業店舗に再利用し、その中に、高級ブランドの店舗が多く出店し、今では一大ブランド街となっている。夜間には石造のビルはライトアップされ、美しさをいっそう鮮やかに浮かび上がらせている。毎冬開催されるルミナリエの会場もこの一角にある。また、日本三大中華街として有名な南京町は、この旧居留地の西側に隣接する場所にある。

 

第五景 北野異人館街

 神戸港開港後、多くの外国人たちが神戸に拠点を構え、その山の手に外国人たちの住居が立ち並ぶことになった。その代表が通称風見鶏の館と呼ばれる旧トーマス邸である。多くは失われたが、今でも数十棟の異人館が立ち並んで街並みを形成しており、異人館街と呼ばれている。異人館街は北野の坂の中腹にあり、今でも神戸の港を見下ろすことができる。神戸の異人館は、グラバー亭が有名な長崎の異人館と比べて、色彩が鮮やかで、デザインが多種多様なユニークな姿のものが多いのが特徴だ。

 

第六景 明石海峡と明石海峡大橋

 前面に淡路島を臨み、昔から景勝の地として有名な舞子の浜はちょうどこのあたりにあり、別荘が多く建てられた。現在は舞子公園として整備され、大正年間に神戸の貿易商・呉錦堂が建てた別荘「移情閣」が残っており、往時を偲ばせる。淡路島を隔てる明石海峡はその幅は約2キロほどであり、この舞子の浜と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は全長3,911メートル、中央支間1,991メートルで、1998年の開通当時は世界最長の吊り橋であった。現在は世界最長の座は譲ったが、海から屹立する2本の橋脚とトラスの橋げたは圧倒的な存在感を示している。この地が神戸の市域の西の端を画し、その先は明石となる。

 

第七景 須磨海岸

 須磨海岸は、神戸の中心市街地の西側、明石海峡の東に位置する。白砂青松といわれる、六甲山の花崗岩を源とする白い砂浜と、松林が背後に広がる。砂浜の西側を画するのは鉢伏山と呼ばれる山で、ここから六甲山系がはじまる。海にせり出す山体を砂浜越しに眺めるのは、ハワイのダイヤモンドヘッドの丁度反転の構図である。鉢伏山にはロープウェイがあり、その頂上に須磨浦山上遊園がある。ここからは、西に明石海峡大橋、東に長く伸びる須磨海岸とその先の神戸の市街地を一望に眺めることができる。須磨海岸は、美しい景観とともに、阪神間唯一の海水浴場として、ヨットやウインドサーフィンなどのマリンスポーツでにぎわっている。シャチやイルカが泳ぐ須磨シーワールドはちょうどこの付近にある。

 

第八景 六甲山上から見下ろす神戸・大阪の市街地

(右隻:神戸側)

 

左隻:大阪側)

 第八景は、六甲山上から見下ろす神戸・大阪の市街地である。大阪湾の北岸に沿って東西に伸びる六甲山系の標高900メートルを超える頂上付近から見下ろす、市街地のパノラマである。ここから、西は淡路島の島影を収め、神戸の中心街、ポートアイランド、神戸空港、六甲アイランド、大阪の市街地、大阪湾全域を一望できる一大パノラマである。夜になると、市街地の灯火が輝きはじめ、この大阪湾全域がまるで光の海のようにくっきりと浮かび上がる。その姿は古くから「一千万ドルの夜景」と称される。この全貌を一枚の写真に収めることは難しいため、屏風にならって、西側を右隻、東側の左隻と表現してみた。

 神戸を訪れる者は、この大パノラマを見ることにより、神戸八景の全域を俯瞰することができる。大阪湾に面し、西は淡路島を臨む明石海峡大橋とそこからつながる長大な六甲山系の頂上に立つことによって、この六甲山系の山すそに伸びる神戸という都市の姿を掌中に収めるかのようにありありと全貌を掴むことができるのである。

 

 神戸は様々な美しい景観を誇る街である。そのどれをとっても一級の美観である。しかし、そのどれ一つを取り出してみても、これこそが神戸だというのは少し違うというように思われる。様々な美観が、六甲山を背骨として、ごく狭い範囲に凝縮されている所にこそ神戸の景観の魅力がある。神戸の多様な美しさを一つのまとまりとして、あたかも一つの結晶のように析出させ、掌にのせるかのように可視化しようとするのが「神戸八景」なのである。

 

 

 

 

 




ルミナリエ2026について


 2年ぶりにルミナリエを訪れた。

 

 会場は、ホームページ等をみると、東遊園地、旧外国人居留地メリケンパークの3か所が表示されている。その他にも、街のところどころに小さなモニュメントが設置されており、会場マップには、メイン会場3か所と合わせて11か所のポイントが示されている。

 

 従来のルミナリエは、旧外国人居留地から東遊園地までの局所的な会場設定であり、元町駅方面から京町筋、明石町と、鉄柵に囲われた誘導路にそって九十九折(つづらおり)の長蛇の列を遅々と進んで、ようやく会場に入ることができるという状態であった。しかし、今回は、メリケンパークにも会場が設けられて広域化したため、来場者が分散し、従来のような行列はすっかり解消されていた。

 

 筆者は、神戸駅から地下街を抜け、ハーバーランドからメリケンパークに行くことにした。モザイクの通路を抜けてデッキに出ると対岸にメリケンパークが見える。そこには、燦然と輝く宮殿のようなルミナリエの作品が目に飛び込んできた。会場をメリケンパークに移すことによって、作品が様々なロケーションでの姿を見ることができるようになったのだ。ハーバーランドから海沿いの舗道を歩いてメリケンパークに入ると、大勢の観客が訪れていたが、さすがにメリケンパークは広く、人々が密集することなく、適度の間隔が保たれて、混雑に妨げられることなく自由に園内を通行することができた。

 

 会場には有料エリアが設けられ、その中に作品が構築され、周囲には一定の障壁が設けられ、進入が制限されてはいたが、有料エリアに入らずとも、十分に作品を見ることができる状態であった。それだけ作品が大きかったということでもある。今年は「海を望む宮殿」と題された作品であったが、一言で言うと大変すばらしい出来栄えであった。一昨年に見たときよりも、広さ、高さともかなり規模が大きくなり、またデザインは精緻かつ一層複雑となり、まさに天上の建築物のごとき壮麗さであった。BGMには、荘厳な教会音楽風の音楽が流され、非常に厳かな雰囲気が満ちていた。ルミナリエが始まった頃は、馬蹄形のフレームを幾十にも並べ、一方向からトンネル状に見る形式の作品であったが、今回の作品はその題名にもあるとおり、屋根、壁とに囲まれた建物様のデザインとなっており、様々な方向からその姿を鑑賞することができるものであった。

 

 次に、居留地の街路を抜け東遊園地の会場に入った。東遊園地の作品は「聖なるアプシス」と題され、一昨年に見た単なる壁掛け状の形式のものから、半円形のドームを組み込んだ立体的な形式に変化していた。一昨年の会場分散の際に、東遊園地の作品は、大幅な規模縮小となったが、今回の作品は、再び規模が拡張され、会場分散前のメイン会場に劣らない規模と構成であった。

 

 東遊園地には、神戸地元の企業や飲食店が出店し、飲食料品の提供を行っていた。以前あった、縁日の屋台のような出店がなく、この点も神戸らしくてよかった。

 一方、新たに開けた新港突堤方面の会場は、アリーナでのイベントがなかったせいか、閑散として寂しい状況であった。しかし、ここからも、メリケンパークの会場を海を挟んで見ることができ、もっと人が集まってもよいのではないかと思った。次回以後、できれば、メイン会場を、東遊園地、メリケンパークに加えて、新港突堤にも設置して、大規模な作品を展示すると、三角形状の会場配置になり、まさに街全体がルミナリエの会場となって人々が行き交うことになるのではないか。

 

 今回のルミナリエの全体の印象を述べると、まず、作品については、規模が再び大型化し、大きな会場で見劣りがしなくなったこと、作品の精緻化、複雑化が一層進み、大変美しく、見ごたえのあるものであったことが挙げられる。過去の作品と比べても最も美しい作品であったように思う。

 また、従来の長蛇の行列が解消され、観客が自由に順番や順路を選ぶことができるようになり、圧倒的にストレスが少なくなったと感じた。会場は混雑しているというほどはなく、安心してゆったりと回れる印象だ。

 会場に来場する人は、三ノ宮駅方面からが圧倒的に多いように思われるが、もっと神戸駅元町駅からのアクセスルートを周知してアクセス路の分散を図れば、より混雑が少なく、快適なのではないか。特に、神戸駅からは地下道を通ると、ほぼ信号のないルートであり、安全で高齢者や小さな子供にも利用しやすいのではないだろうか。それほどの距離でもないので、もっとお年寄りにも見に来てもらえたらよいように思う。気のせいか、会場に高齢者が少ないような気がした。ルミナリエの広告や前売り券の販売など、ネットが多用されており、それらが高齢者の足を遠のかせていないだろうか。ルミナリエ開催の趣旨から、だれもが参加しやすいということは重要だ。

 

 ルミナリエは今回が第31回の開催となり、いつのまにか長い歴史を持つイベントとなった。開催を重ねるごとに、当初の単純なデザインから、作品の規模、意匠とも複雑さ、精緻さが高まり、ルミナリエは、本当に神戸らしい、上品で上質な芸術祭としての完成度を備えるようになったように思われた。これだけの規模と質を兼ね備えたイベントであれば、きっと国際的にも十分アピールできるのではないだろうか。

 混雑の問題は、かなりの部分、解消したと思われるが、アクセスルートを中心に、警備員が数多く配置されている。正直、あれほど多くは必要ないのではないかとも感じられたので配置の見直しも必要であろう。さらに、来場者の導線を工夫すれば、混雑なく、もっと大勢の人受け入れられるのではないかと思われる。そうなれば、もっと積極的に広報を行って、来場者を増やし、街全体を舞台とする、神戸市民はもとより、国内、海外の観光客が集まって楽しむイベントになるのではないか。

 現在は1月30日から2月8日までの10日間の会期であるが、以前のような街を塞ぐような混雑もないので、もっと期間を延長し、1か月くらいは開催すればよいのではないか。

 

 

2026年1月18日 関西3空港懇談会について

 

 関西、大阪(伊丹)、神戸空港の役割を官民で話し合う「関西3空港懇談会」が18日、大阪市内であり、3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は、神戸空港の国際定期便について2030年4月の就航を目指す考えを示した。これまで懇談会が「30年前後」としてきた就航時期に初めて踏み込んだ。設置管理者の神戸市と協力して検討を進めるという。

 山谷氏は閉会後の会見で「一つの目標設定をした」と説明した。また、懇談会では、30年4月に神戸空港の運営権を民間企業に売却する「コンセッション」契約の対象に、国際線エリアを含める検討を提案した

(以下略)

 

神戸新聞 2026/1/18)

 

 

 2026年1月18日に、第15回となる関西3空港懇談会が開催された。

 同懇談会の報告が公開されている。

 

https://www.kankeiren.or.jp/material/260118houkokusho.pdf

 

 その中の、神戸空港に関わる部分を抜粋すると次のとおりである。

 

第15回関西3空港懇談会 報告

 

1.第14回懇談会以降の状況

(略)

 今回の懇談会では、その後の取組み等について、以下の内容が共有された。

(略)

 

(2)関西3空港の現状

(略)

 

神戸空港

 関西空港を補完する観点から、昨年4月に開業した第2ターミナルにおいて、東アジアを中心に国際チャーター便の就航が開始され、神戸市以西の市場開拓を含めた関西全体の需要拡大に向けたスタートを切っている。

(略)

 

2.関西3空港の次なる発展に向けて

(略)

 

神戸空港
 関西空港伊丹空港を補完する空港として、その機能を高め、神戸市以西の新たな市場開拓など、関西3空港の需要拡大に貢献していく必要がある。そのため、第12回懇談会の合意に基づき、関西3空港の運営主体の関西エアポートグループの経営判断を尊重しつつ、関係団体協力の下、同社グループ及び神戸市において必要な取組みを進める。

(以下略)

 

 

(2026 年1月18日 第15回関西3空港懇談会 報告(抜粋))

 

 現状の認識として、昨年(2025年)4月から国際チャーター便の就航が開始されたことを挙げている。

 今後の方向として、神戸空港関西空港伊丹空港を補完する空港として、その機能を高め、神戸市以西の新たな市場開拓など、関西3空港の需要拡大に貢献していく必要があり、第12回懇談会の合意に基づき、関西3空港の運営主体の関西エアポートグループの経営判断を尊重しつつ、関係団体協力の下、同社グループ及び神戸市において必要な取組みを進めることを確認している。

 

 今回の懇談会は、何か新しいことが取り決められたというより、過去の合意に基づいた取り組みの現状の共有と、今後の取り組み方針の再確認といった内容であったようだ。

 

 懇談会終了後の記者会見の中で、関西エアポートの山谷社長は、

(1)神戸空港の国際定期便について2030年4月の就航を目指す。

(2)神戸空港の「コンセッション」契約の対象に、国際線エリアを含めることを検討する。

 という2点を示した。

 これまで国際定期便の就航時期を「30年前後」としてきたことから、具体的な時期が明示されたことになる。

 

 一方、懇談会終了後、川崎神戸商工会議所会頭、久元神戸市長、斎藤兵庫県知事が記者の取材に応じ、その中での久元市長の発言を抜粋すると次のとおりである。

 

 今回の懇談会は何か新しいことが決められたということよりは、特に新しい飛行経路についての環境監視の現状の報告があり、神戸空港を含む3空港の現状についての報告と、今後の方向性が議論になって、報告という形で取りまとめられたという風に理解しております。これまでの方針に基づいて確認ということだと思うんですが、そういう中で、報告自体は関西エアポートグループと神戸市が連携しながら今後の対応をしていくというようなことが書かれています。正確な表現は後で報告をご覧いただけると思います。そういう中で、関西エアポートの山谷社長からは、2030年の国際定期便の就航、それからターミーナルビルのコンセッションに向けた検討を、神戸市と協議をしながら取り組むというようなお話がありました。これは神戸市としては大変ありがたい発言でございまして、よく関西エアポートと相談して、国際定期便の飛行が2030年に確実に行われる、神戸市としても必要な対応をしていくというふうに考えております。

 

 

 やはり国際チャーター便の運行をしっかり安全確実に行っていくと、その先に定期便の就航が確実に行われるということになりますから、そこは関西エアポートさん、神戸市も含めて、しっかり対応していくということだと思います。あとは、今の第2ターミナル、去年の4月18日に、スタートしたわけですが、これでは定期便の就航が1日20便ですよね、定期便は。これには間に合いませんから、拡張ということを行って、その際、関西エアポートさんの言うことをしっかりよくお聞きしながら、計画を作っていくことになると思います

 国際線エリア部分のコンセッションということも山谷社長から提案がありましたので、これも双方で協議をしていくということになると思います。

 

 

 新たに整備する、いずれにしてもそのターミナルが必要になりますから、第2ターミナルそれから今のターミナルを拡張するということになるのか、新しく作ることになるのか、それは表現の仕方の問題ですけれども、いずれにしても、その近くにですね、隣接した形で作るというです。

 

 

 早めに出したいという意味はとにかく間に合わせると、山谷社長から2030年というお話がありました。2030年というのはあと4年ですから、そんなに時間はありません。ですから早めにという意味はとにかく間に合わせるべくスピード感を持って進めるということですが、これは今日もお話がありましたように、関西エアポートさんとよく協議をして、内容を詰めていくということです。

 

 

 注目すべきは、太線の部分で、要するに、現在の第2ターミナルでは、1日20便の国際定期便の運用には間に合わないので、現在の第1、第2ターミナルを拡張するのか、新しく作ることになるのか、いずれにしても、その近くに隣接した形で新たなターミナルを作るという考えを示している点である。それにあたっては、関西エアポートとよく協議して内容を詰めていくとしている。

 この発言を見ると、第2ターミナルは、あくまで国際チャーター便を万博開催に合わせて早急に受け入れするための臨時的、仮設的ターミナルであったようだ。国際定期便の就航の際には別途ターミナルを整備するという考え方は、2023年5月10日の久元市長の会見の中でも示されていた。

 

(参考)神戸市長会見 2023/5/10

記者:今回新しく整備する新ターミナルなんですが、これは、国際チャーター便及び国内線の40回の拡大分、これを対象にしたターミナルという位置づけでよろしかったでしょうか。

久元市長:そうです。

記者:市長がおっしゃっているように2030年前後には、国際定期便の就航の方針だと思うんですけれども、こちらのターミナルが定期便においても活用するという位置づけなんでしょうか。


久元市長:いえ、国際定期便、2030年頃の就航を想定している国際ターミナルは、別途これは整備することを予定しております。別途整備をいたします。

記者:それはやっぱり旅客ターミナルの東側に貨物ターミナルがあると思うんですけど、あの辺りが定期便の就航場所として想定されるということなんですか。

久元市長:現時点は未定です。これから並行して作業しなければいけないと思いますが、もう少し空港のエリアの様々な施設配置を検討した上で、国際定期便に利用される新たなターミナルの絵を描いていきたいと思いますが、今現時点ではまだ具体的なプランはありません。

 

(神戸市長会見 2023/5/10)

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 今回、神戸空港における国際定期便の就航時期が2030年4月と明示されたことは、水面下ではかなり具体的な話として進められていることが窺われる。

 

 こうした背景には、昨年4月から始まった国際チャーター便の運用が順調であることがあると考えられる。

 

 神戸空港の2025年の旅客数が405万9839人に上り、06年の開港以来、初めて400万人を超えることが確実となった。関西エアポートが13日公表した利用状況の速報で明らかになった。4月に解禁された国際チャーター便の旅客(40万5229人)が寄与し、これまで最多だった24年の357万6118人を14%上回り、3年連続で過去最多となった。
(以下略)

 

神戸新聞 2026/1/13)

 

 神戸空港の旅客数が、開港後初めて400万人を超えることになった。4月に運用が始まった国際チャーター便の旅客数は40万人を超え、これが大きく寄与することになった。

 

 久元市長は「とにかく間に合わせるべくスピード感を持って進める」と述べているが、神戸空港の今後の飛躍を見据えて、長期的な視点に立ち、将来の発展の礎となるような大きな構想を描いてほしい。

 

 一方、次のニュースも飛び込んできた。

 

ANA関空発着の国内線を大幅縮小 赤字4路線は運休

 全日本空輸ANA)は関西国際空港発着の国内線を現在の1日あたり5都市12往復から大幅に縮小し、羽田便のみの1都市5往復とすることを決めた。3月29日以降の夏スケジュールで、赤字が続く札幌や那覇、沖縄・宮古、石垣を結ぶ4路線を運休する。ANAは「急激なコストの増加によって赤字幅が拡大し、今後も黒字化を見通せない」と説明している。

(以下略)

 

毎日新聞 2026/1/24)

 

2026年度 ANAグループ航空輸送事業計画を策定|プレスリリース|ANAグループ企業情報 

 

 これは、2026年度のANAグループ航空輸送事業計画として発表されたものであるが、羽田便を除き、関西空港発着の国内線をすべて運休するという内容である。これに対して、神戸空港の東京(羽田)便、札幌(新千歳)便、沖縄(那覇)便については減便されることなく存続となった。これは画期的なことである。一地方空港として発足した神戸空港が、国内主要航空会社であるANAの就航便数において関西空港を上回ることになったということである。この動きの意味するところは明らかではないが、伊丹空港とともに今後の同社の関西の拠点として、神戸空港の重要性がますます高まってくるのではないかと予想される。

 神戸空港の発展は予想を超えるスピードで進んでいる。

 

 3空港の運営一元化が始まって数年が過ぎ、次第に明瞭になってきたことは、3空港はそれぞれ明確な特性があるということだ。

 国土軸から大きく南に偏する位置にある関西空港は、神戸空港伊丹空港と比べて利便性の点でどうしても劣る部分、獲得できない性能がある。この性能を押し殺すことなく、存分に発揮させることが関西圏全体の航空機能の最大化にとって重要だ。関西空港がハブになるのではなく、関西圏全体がハブとなるべきなのだ。