神戸市 人口150万人割れの衝撃

 神戸市は12日、最新の推計人口(10月1日時点)が149万9887人になったと発表した。150万人を割り込むのは2001年5月(149万9371人)以来で22年ぶり。ピーク時(11年)と比べて5万人近く減った。

 

(2023/10/12 神戸新聞

 

 神戸市の推計人口が、ついに150万人を割り込んだ。神戸市の人口は2011年をピークとして、2012年から減少が続いており、今年度中に150万人を割り込む見込みであることは予てから報じられていた。そして、ついに、今年10月1日時点の推計人口が150万人を割り込むことになった。

 

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 神戸市の人口が150万人を割り込んだことは新聞、テレビ等のマスコミで大きく報じられた。

 10月12日の記者会見で久元市長は、神戸市の人口減少については、一貫して「人口減少社会」を前面に出して、あたかも自然現象のように捉え、「人口の減少幅をいかに抑制するか、人口減少時代にふさわしい街づくりをいかに進めるか、を従来から考えてきたが、今後ともそうした考え方で施策を推進していきたい」(神戸経済ニュース 2023/10/12)と、平静を装っている。しかし、一般の人々の受け止め方は、とりわけ神戸市民以外の人々にとっては、神戸市の「凋落」であろう。

 

 神戸市の人口は、1992年12月に150万人を突破してピークは2011年11月の154万5362人。しかし、2015年10月には福岡市に抜かれ、2019年9月には川崎市に抜かれました。「憧れの街」のイメージが根強い神戸市は、深刻な人口問題に直面しています

MBSニュース 2023/10/12)

 

 神戸市の人口150万人割れはいつか迎える事態ではあったが、いざ現実にこの日を迎えると、やはり大きなショックを感じざるを得ない。「150万都市神戸」は失われ、「140万都市」が今後、神戸市に与えられる呼称となるのである。単なる呼称ではあるが、与える印象に大きな違いがあることが、今更ながらに実感される。神戸市がどのように言おうとも、この呼称が人々に与える神戸市への印象は、「衰退都市」であろう。都市間競争において、人口増加が続く「成長都市」と人口減少が続く「衰退都市」とでは、前者がより選ばれるのは明らかであろう。どれだけ市の発展性をアピールをしようが、人口減少の事実はこれらの努力をすべて打ち消すだけのインパクトを持っている。

 

 神戸市は、これまで人口減少の問題に有効に対処してきたといえるだろうか。

 

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 何事も、問題に対応する場合には、正しく原因を把握し、原因に応じた適切な対策を講じることが鉄則である。そして、その対応が適切であったかどうかを検証して、対応策の見直しを行うこともまた鉄則である。神戸市は、これまでの対応策を検証し、十分に見直しを行うべきだろう。そして、効果の定かならぬ施策を手当たり次第に行うのではなく、真に効果的な施策に人や物などの資源を集中すべきだ。これが、現在の神戸市政に一番必要なことだと思われる。

 

 

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 また、記者会見の中で、市長が「(神戸市の)人口が増加に転ずる可能性はほとんどない」、「高層タワーマンションは数十年で廃墟化する」と述べたことも大きく報じられ、話題となっている。久元市長は、神戸市長の言葉の重みを自覚し、もっと言葉を選ぶべきであろう。