大阪府が大規模アリーナを建設

 大阪府が、大阪・吹田市万博記念公園に計画している大規模アリーナについて、吉村知事は、建設から運営までを担う事業者に、日本とアメリカの企業3社によるグループを選定したことを発表しました。(中略)


 提案では、アリーナを中心に、商業施設やホテル、オフィスビル、それに共同住宅などを整備するとしています。
このうちアリーナは、最大収容人数が1万8000人と西日本最大級で、フィギュアスケートの世界選手権や、NBA=アメリプロバスケットボールの公式戦など、国際的なスポーツ大会の誘致が可能な施設にする予定です。

(2001/5/19 NHK NEWSWEB)

 

  5月19日、大阪府が大阪・吹田市万博記念公園に計画している大規模アリーナの建設・運営事業者を選定したと発表した。アリーナは、最大収容人数が1万8000人と西日本最大級で、国際的なスポーツ大会の誘致が可能な施設として、2027年秋頃の開業を目標として整備を進める。事業予定者は、三菱商事都市開発株式会社、Anschutz(アンシュッツ) Entertainment Group, Inc.(AEG)、関電不動産開発株式会社で構成される共同企業体で、このうちAEGは世界有数のアリーナ、エンターテインメント・ディストリクト開発、スポーツ、音楽興行の総合企業で、ローリング・ストーンズテイラー・スウィフトセリーヌ・ディオン等の世界ツアーを手がけ、欧米でプロ・スポーツチーム(ロサンゼルス・レイカーズ等)を所有し、数多くのアリーナ、大型劇場の所有・運営の実績を持つ企業とのことだ。

 

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(出典 大阪市HP)

 

 2万人収容クラスの大規模アリーナについては兵庫県も建設を目指しているが、筆者はみなとのもり公園に設置するのがよいと考えている。

 万博記念公園とみなとのもり公園のアクセスを比較をするとどうだろう。

 万博記念公園は、京阪神の中央部に位置するが、都心部からは離れた場所にある。そのため、公共交通機関としては大阪モノレール万博記念公園駅が最寄り駅ということになる。それでは、京都、大阪、神戸の都心からアクセスする場合、それぞれどの程度の時間がかかるのだろうか。

(1)万博記念公園

(神戸)

 三宮 十三 蛍池 万博記念公園 1時間0分 760円

(大阪)

 梅田 南茨木 万博記念公園 36分 520円

 新大阪 千里中央 万博記念公園 35分 570円

 伊丹空港 万博記念公園 18分 380円

(京都)

 河原町 高槻市 南茨木 万博記念公園 49分 570円 

 

(2)みなとのもり公園

(神戸)

 三宮から徒歩

 新神戸 三宮 2分 210円

 神戸空港 貿易センター 23分 290円

(大阪)

 大阪 三ノ宮 21分 410円

(京都)

 河原町 十三 三宮 1時間17分 630円

 

 これを見ると、みなとのもり公園の交通アクセスは抜群に優れている。

 大阪都心と比較しても、料金も時間もみなとのもり公園の方が早くて安い。

 長距離交通機関とのアクセスにおいても、みなとのもり公園は優れている。長距離交通機関とのアクセスがよいということは、広域、日本中から人々が参集し、散会するのに便利だということだ。23時まで運用が可能な神戸空港とのアクセスがよいこともセールスポイントだ。というのは、通常、コンサートやスポーツイベントは、21時頃まで行われることが多い。この場合、伊丹空港では運用時間を超過してしまうから、イベント終了後に飛行機に乗って帰るということができない。しかし、神戸空港であれば、イベント終了後に飛行機に乗って帰るということも十分可能だ。さらに、神戸だと、都心部に隣接しているから、そのままホテルで宿泊することもできる。

 また、万博記念公園のアクセスは大阪モノレール1本だから、JR、阪急、阪神の本線が隣接するみなとのもり公園の輸送力は圧倒的に優れている。

 このように考えると、神戸にこそ、こうした施設を建設すべきであって、それが、西日本全域の人々の利便につながるのだ。これほどすばらしい利便性が得られる場所は他にはない。どうして、このようにすばらしい立地条件であるのかというと、そこが神戸港という世界有数の、日本を代表する港湾の鉄道貨物基地があったからだ。日本中からの貨物を集積する場所であったからだ。しかるに、現在、みなとのもり公園は、昼休みのジョギングに利用されているぐらいで、とてもその価値に見合った利用をしているとは言えない。その貴重な立地を活かした施設の立地を考えることが、神戸の今後の発展につながるだろう。