神戸市が国際展示場の再整備に向けた課題整理の着手を表明

 神戸市は、1981年の神戸ポートピア博覧会に合わせて完成した神戸国際会議場や、神戸国際展示場の再整備に向けた課題の整理に着手する。同市の今西正男副市長は7日の神戸市議会本会議で、山本憲和議員(維新)の一般質問に答弁し、建設から40年以上が経過して老朽化が進む神戸国際会議場や神戸国際展示場について「面積や耐荷重、天井の高さなど基本的なスペック(仕様)も、時代に合わないものになりつつある」との認識を述べ、再整備の必要性を強調した。

 

(神戸経済ニュース 2023/12/8)

 

 1981年に完成した神戸国際会議場や、神戸国際展示場が老朽化しており、国際会議等の開催地を巡る他都市との競争が激化していることから、コンベンションセンターの再構築を検討しているという記事を今から4年前の2019年9月に書いたことがある。

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 今回の記事では、「再整備に向けた課題の整理に着手する」とされており、事業の全くの停滞に驚かされる。

 というのは、その2019年当時の記事で、神戸市が平成25年(2013年)3月に「コンベンションセンター再構築基本構想 ~アジアのMICEセンターを目指して~ 」という報告書を作成していると紹介しており、その記事の時点で、構想が発表されてから既に「6年が経過しており、新コンベンションセンターの建設は、いったいどうなったのだろうか」と記しているからである。

 しかも、「再整備に向けた課題の整理」をこれから「着手する」となっており、すでに2013年の構想はなかったものになってしまっているようだ。

 

 それはさておき、2013年の構想は、正直に言ってあまり良い内容とはいえなかった。というのは、現在地で現在の国際展示場を建て替える案となっていたからである。現在地での建て替えとなると、当然、建設期間中は展示場が使用できなくなり、その間にこれまで継続開催されていた神戸市での需要が他都市へ流出してしまうことが懸念される。また、規模の点でも、新しく建設をするのに、その時点でも既にスペック的に見劣りのするプランであったからである。

 

 したがって、事業の停滞は、そのあたりに事情があったのかもしれない。

 このたびは「再整備に向けた課題の整理を行う」としているから、一から検討をすることになるのであろう。考え方を変えれば、中途半端なものは建設しないでよかったともいえる。新たに行われる課題の整備では、当然にアクセスの問題が関わってくるだろう。神戸市は三宮と神戸空港の地下鉄新線を構想しているから、それと合わせて抜本的に検討をしようとしているのかもしれない。

 

 では、どのような施設を建設すべきであるのかは、2019年の上記の記事(神戸市のコンベンション政策(3)」に書いたが、今も筆者の考えは変わっていないので、興味のある方は上記を参照されたい。