国際会議開催件数2019年 神戸市は国内第2位

 11月27日に日本政府観光局(JNTO)から発表された、2019年「日本の国際会議開催件数」によると、神戸市は年間438件の国際会議を開催し、東京23区に次いで国内第2位という結果に。3年連続で2位を堅守しました。内訳は前回同様、医学・科学技術関係の学会が一番多く193件、次いで社会学関係の会議が144件という結果でした。

 また、ICCA(国際会議協会)から今年5月に発表された、2019年1月~12月に世界で開催された国際会議の統計においても神戸は歴代最高位(初の2桁台)となる世界82位を獲得。

日本全体で開催された国際会議開催件数は前年比5.5%増の3621 件となっており、参加者総数は前年比8.4%増の200万人、うち外国人参加者数も前年比1.8%増の21.3万人となりました。

(神戸市 記者発表資料 2020/12/4)

 

神戸市:国際会議開催件数の都市ランキングが発表されました

 

 日本政府観光局が発表した2019年の国内での国際会議開催件数において、神戸市は東京23区に次いで国内第2位となった。国内第2位となるのは3年連続ということだ。

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日本政府観光局資料2020/11/27 から作成)

 

 これによると、神戸市は国内の並み居る大都市を抑え、堂々の第2位となっている。特に、近隣の競合都市である大阪市に対しては倍以上と大差をつけている。

 また、これらの国際会議における外国人の参加者を見ると、神戸市は第4位となっている。京都や横浜には及ばないものの、大阪市に対してはやはり大きな差を付けている。

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日本政府観光局資料2020/11/27 から作成)

 

  神戸市での国際会議の内訳は、医学・科学技術関係が193件、社会学関係が144件と、この二つで全体の4分の3を占め、学術系の会議が多い傾向があるようだ。総参加者数は200万人で、神戸市内の平成元年度の観光客数は日帰り客1,742 万人、宿泊客477 万人の合計2,219 万人であることを考えると、かなりの経済効果があると考えられる。 

 近年の神戸市の様々な方面における劣勢の中では数少ない実績を上げている分野と言えるだろう。この結果を見ると、コンベンション産業は神戸市が比較優位を持つ分野であると言ってよいだろう。どうして神戸市がこういう結果を残せているかというと、神戸市の持っている基礎的条件が優位に働いているからだと考えられる。

 一つは、国内の中央部にあるという地理的条件、新幹線や空港を擁する優れた交通条件、さらに風光明媚な都市景観、豊富な食文化などがあり、さらには周辺の京都、大阪、姫路などの世界的な観光地があることなどが強みである。神戸市としてはこの比較優位を持つ分野を守り、さらに発展させるよう努力をすべきだと考える。

 近年、他都市では大型施設を建設するなど積極的な投資を行っており、近隣の姫路市でも大規模なコンベンションセンターの建設が計画されている。神戸市でも現状に甘んじることなく積極的な投資を行うべきだと考える。投入できる資源に限りがある以上、こうした比較優位を持つ分野にこそ、重点的に投資をすべきだ。また、こうした優位性をさらに強めるよう交通機能の強化を図るべきだろう。

 コンベンション産業は、その経済効果だけでなく、都市の知名度、都市格をあげることにつながり、企業誘致にも効果があるだろう。コンベンション産業による集客は、ビジネス需要が乏しい神戸にとって企業誘致の足がかりとなりうると考えられる。

 神戸市は、平成25年3月に、「コンベンションセンター再構築基本構想 ~アジアの MICE センターを目指して~ 」という報告書を作成しているが、その後、何か進展したという情報を聞かない。

 

 現在は、コロナウイルス禍で世界的な人の移動が困難になり、人と人の接触を避けるようウェブによる会議等が行われるようになってきている。そのため、今後は、これまでのような人が直接集まって行う会議は少なくなるのではないかという予想もあるだろう。しかし、人が集まる会議は、単に「会議」を開くことだけではなく、それ以外の副次的役割や効能があったのだと考えられる。たとえば、会議の終了後の懇親であったり、観光や開催地の文化を知ることであったり、手触りや肌触り、空気やにおいなど、ウェブの平面的なディスプレイを通した情報だけでは得られない何かがあるのだと考えられる。もし、単に「会議」を開くだけであったら、コロナ禍以前に、会議は、そうした通信手段を用いたものにとっくに置き換えられていただろう。会議は、単に「会議」だけではないのだ。

 したがって、コロナ禍が克服された将来には、必ず、再び、以前のように人々が国境を越えて盛んに往来するようになるだろう。長期的に見れば、今日のコロナウイルス禍は攪乱要素であるとしても、その趨勢は変わらないと考える。

 

 

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