中国地方と四国地方の9県は26日午後、JR三ノ宮駅の中央改札口周辺で共同の観光キャンペーンを開催した。これまでJR大阪駅などで連携して観光キャンペーンを展開したが、三ノ宮駅で実施するのは初めて。各県が大阪市に開設した事務所で構成する「在阪中四国県事務所協議会」の活動の一環だ。四国全県のキャラクターが一堂に会する、珍しい機会にもなった。
中四国9県の在阪事務所は、各県バラバラに観光PRするよりも、まとまって展開したほうがPR効果が大きいとみて、連携してキャンペーンを始めたという。(略)
神戸市は、鳥取県、岡山県、徳島県に隣接する兵庫県の県庁所在地で、香川県との間には1日に何本も船便があるほか、高知県とは航空便で結ばれている。鉄道や自動車でも便利だ。もともと神戸と中四国を往来する人の数は多く、改めてPRすることで誘客効果は大きくなりそうと期待する。(略)
(神戸経済ニュース 2022/8/27)
中国地方と四国地方の9県(岡山、広島、鳥取、島根、山口、香川、徳島、愛媛、高知)が、26日午後、JR三ノ宮駅の中央改札口周辺で共同の観光キャンペーンを開催したそうだ。これまでJR大阪駅などでは、こうしたキャンペーンを実施してきたが、三ノ宮駅で実施するのは初めてとのことだ。
三ノ宮駅は兵庫県の県庁所在都市神戸の交通中心地で県下最大の乗降客数を誇り、多くの人々が絶えず往来し、元来こうしたキャンペーンを行うのに適した場所だ。三ノ宮駅を中心として、新神戸駅や神戸空港、高速バスやフェリーなど、様々な交通機関が集中しており、きわめて交通利便性の高い場所である。豊かな自然に歴史的な文化遺産にも恵まれたこれらの諸県は、神戸から比較的近くて交通費も安く、週末でも容易に訪れることが可能であり、神戸市民を中心に、兵庫県民に、こうした観光キャンペーンを行うことは高い効果があると考えられる。
しかし、三ノ宮駅で観光キャンペーンを行うことの効果はそれにとどまるものではない。三ノ宮駅は新神戸駅や神戸空港などの長距離交通機関との結節点である。特に、神戸空港には、札幌、青森、仙台、花巻、松本、新潟などの東日本の諸都市とを結ぶ空路が開設されており、対して、中国、四国地方とこれらの諸県とを直接に結ぶ空路は札幌(広島空港 2往復、岡山空港 1往復、島根空港 1往復)、仙台(広島空港 1日2往復)を除いて開設されていないため、東日本のこれらの地方から中国、四国地方を観光しようとする場合には、神戸空港で関西地方に乗り入れ、神戸を経由して中国、四国地方に足を伸ばすというルートが考えられるはずだ。そういう意味でも、神戸は、中国、四国地方の交通拠点であり、これらと一体となった観光圏というものが形成される可能性がある。
つまり、今回、三ノ宮で観光キャンペーンを行ったということは、神戸市民、兵庫県民をターゲットとするだけではなく、もっと大きな可能性を持つものではないかと考えられる。
先日(6月3日~5日)、ハーバーランドで、青森・神戸間の相互誘客を目的に、「弘前ねぷた」によるプロモーションが開催され、多くの人々が見物に集まった。このように、神戸は神戸空港就航先の諸都市の観光プロモーションの場としても可能性があるし、逆にその就航先の諸都市からの観光客誘致の場としても可能性がある。
今回は、諸県のキャラクターが勢ぞろいとなったが、もっと本格的な芸能や文化の発信も考えられるだろう。また、今回のような単発のイベント以外にも、常設の物産館のようなものも考えられるだろう。以前、新神戸駅や神戸駅周辺への西日本諸県の物産館の誘致を提案したことがある。
今後、こうした取り組みが定着し、中国、四国地方の観光振興とともに、中国、四国地方からの就航先諸県の観光の起点として神戸が貢献し、双方に大きな効果がもたらされるとよいと思う。