神戸のコンベンション政策(2)

 日本政府観光局(JNTO)のHPに、コンベンション主催者向けの、国内のコンベンション開催都市のプロフィールや主要諸元をまとめた資料が公開されている。


都市ガイド(MICE主催者向け)

 本書は、受け入れ側である都市にとっては、都市の魅力をアピールするツールとして、また、MICEの主催者や支援者にとっては、開催地、会場の候補選定や、計画策定のために有用な基本情報として活用することが出来ます。また、国際会議や国際イベントなどを日本へ誘致する際に、開催候補地の情報を提供する有用な資料として利用できます。

 

各種マニュアル類 | 日本政府観光局(JNTO)コンベンションの誘致・開催支援

 

 国内の主要都市、神戸、福岡、大阪、京都、名古屋、横浜、東京、千葉のそれぞれの主要なコンベンション施設を比較してみる。

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(JNTO「日本コンベンション都市ガイド 施設の概要と公的支援」から作成)

 

 この表を見てみると、神戸のコンベンション施設は、大ホール、展示場とも、他都市の施設と比べてみると、かなり小規模であることがわかる。ある意味、これだけの施設で、国際会議の総開催件数国内2位、中型・大型国際会議開催件数国内5位は立派だといえるだろう。

 これだけの施設面の不利にもかかわらず、高い競争力を保ち続けているのは、神戸が本来有する立地条件のよさを証明するものだろう。総開催件数は全国2位であるが、中型・大型会議のクラスでは全国5位にとどまるのは、施設面の不利が反映しているものと考えられる。

 そのように考えると、神戸にも他都市と同等の大型施設を設置すれば、中型・大型会議クラスでも高い競争力が得られるものと考えられる。したがって、神戸市は、できるだけ早く、新コンベンションセンターの建設に着手すべきである。

 新コンベンションセンターは、おそらくポートアイランドに建設することが適当であろう。となると、ポートライナーの輸送力の限界がまた足かせになるおそれがある。

 神戸市は、神戸空港のアクセス改善という課題も抱えており、神戸商工会議所からも要望があげられているところである。新コンベンションセンターの建設という意味でも、ポートアイランドへの輸送力増強は緊急の課題である。

 神戸市にはやるべきことが山積している。どれも神戸の将来を左右する重要な課題だ。何が優先課題なのか、よく考え、神戸市の持てる資源を重要な課題に優先的・集中的に投下すべきだ。