神戸空港のアクセスについて考える(3)

 ポートライナーは1981年2月に開業し、当初は三宮とポートアイランドとを結ぶ交通機関として運行された。開業当初、複線区間三宮駅からポートアイランドの入り口にあたる中公園駅までで、ポートアイランド内の路線はループ状の単線区間となっており、中公園駅から市民広場駅まで南下し、そこから東に向きを変え、南公園駅を経て、ポートアイランド東部を北上し、中埠頭駅北埠頭駅を通って中公園駅に戻るというルートであった。

 その後、2006年2月に、神戸空港の開港に合わせてポートアイランド2期、神戸空港まで延伸された経緯がある。その際、中公園から市民広場間が複線化され、三宮から神戸空港までが複線区間となった。

 

 ポートライナーの新線はどのような位置づけになるのだろうか。

 

 これは次の図のように考えると理解しやすい。

 

 ポートライナーは、本来、ポートアイランドポートアイランド2期のためのアクセス(図の青線の部分)である。空港専用のアクセスは、ポートアイランド2期から空港島までの間(オレンジ色の部分)だけで、言わば、ポートアイランド2期から三宮までは、ポートアイランドのアクセス線を間借りしている状態である。それは、神戸空港の運用に厳しい制限が課せられ、先行きも定かならぬ状況においては賢明な判断であった。しかし、神戸空港を取り巻く環境は大きく変わった。神戸空港の国際空港化が実現することになり、発着回数も1日60回から国内線、国際線を合わせ160回と3倍近く拡大することになった。そして、今後、神戸空港は西日本の基幹空港として大きく発展していくことになるだろう。将来的には、2本目の滑走路の建設も視野に入ってくるだろう。これまで間借りしていた三宮からポートアイランド2期までの路線とは別の専用の空港アクセス線(オレンジ色の破線部分)を用意すべき時が来たと考える。そして、神戸空港の最大のメリットである新幹線沿線という立地条件を最大限に活かすため、三宮から新神戸への延伸線(赤の破線部分)を建設し、他空港の追随を許さぬ利便性を確立すべきである。

 

 ルートの案については、以前に示した。

 

firemountain.hatenablog.jp

 

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 この案だと現在の三ノ宮駅から東側に若干離れすぎているという指摘があるかもしれない。しかし、現在建設が進んでいるバスターミナルに隣接する場所であるし、阪神三宮駅の東口からも近い。また、JR三ノ宮駅は東口の新設を行えば、利便性が大いに向上するだろう。

 もしも、これが実現するならば、神戸の都心は、この新線に沿って、現在のフラワーロード東側に拡大していくことになるだろう。