大阪都構想が12日に告示

 大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票が12日に告示される。投開票は11月1日。賛成多数になれば、1956年にできた政令指定市が初めて廃止されることになる。地方自治のあり方に大きな一石を投じることになりそうだ。

 有権者日本国籍をもつ市内に住む18歳以上の約225万人。都構想をめぐる住民投票は、2015年5月に続いて2度目。

朝日新聞 2020/10/11)

 

  大阪都構想を是非を問う住民投票が12日に告示される。有権者は、18歳以上の大阪市民だ。

 大阪都構想については以前に論じた。

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 大阪都構想住民投票とは何か、上記の新聞が簡潔にまとめている。

(1)大阪市を廃止し、代わりに4つの特別区に再編することの是非を問う

(2)有権者は18歳以上の大阪市

 

 つまり、通常、すべての国民に与えられている基礎自治体としての市町村である大阪市を廃止する。その代わりに与えられる特別区は、通常の市町村にもはるかに劣る財源と権限しか有しない。(なぜならば、固定資産税ですら自由に使えない市町村は存在しないからだ。)大阪市は豊かな財源と広い権限を有する、大都市の代名詞ともいうべき「政令指定都市」であったから、この落差は一層激しい。

 今回の住民投票をわかりやすくたとえると、自動車でいうなら、これまで愛用してきた大型の高級車を処分して原付に乗り換えようとするようなものだ。周辺の市町村は今回の住民投票の対象外だからこれまでどおり普通車に乗り続けることになる。つまり、府下の周囲の自治体の市民が普通車に乗っている中で、大阪市民だけが大型の高級車を処分して原付に乗り換える。それを是とするか非とするかが問われている。問われているのは大阪市民だけだ。というのは、高級車をやめて原付に乗り換えるのは大阪市民だけだからだ。

 一般の常識では是非を問うまでもない問題だと思われるが、全く賛成意見があり得ないわけではない。高級車を維持していたお金は周囲の自治体の市民と共有される(旧大阪市民は3割だけの権限を持つ)ことになるが、自分たちが原付に乗り換えてでもそのお金を周囲の府民のために提供してもよいと思う人は賛成すればよいだろう。住民投票を行うのは大阪市民だけである。それは、大阪市民が直接の利害関係者だからだ。大阪市民は投票の中身をよく知ってから投票に臨むべきだろう。