品位のある言葉遣い

 久元神戸市長のツイッターに次のような投稿があった。 

 今月号の「中央公論」は、公務員が少なすぎるという論調。だが現役世代が減り続ける中、公務員は増やせない。公務職場は繁閑の差が大きい。無駄も多い。デジタル化も遅れている。抜本的改革をすべきだ。人事当局は騙すことに長けているが、馬脚も時々現す。頑張るしかない。

久元喜造 ツイッター 2020/10/7)

 

  人と議論をする場合は、問題のみについて語るべきで、それを語る人の属性について語るべきではない。相手に対しては敬意を持ち、できるだけ客観的に感情を排して理性的な言葉を用いるのがルールだろう。

 「人事当局は騙すことに長けているが、馬脚も時々現す」とは、誰のことを指しているかわからないが、明らかに、上記のルールに反するだろう。相手方の属性に対してレッテルを貼り、客観性に欠ける感情的な言葉だ。聞く人を不快な気持ちにさせる。こうした言葉使いは品位のある言葉使いとは言えないだろう。

 仮に、これが神戸市役所の中の一部の人に宛てられた言葉とするならば、こんなところでツイートしていないで、どうして中で普通に議論をしないのだろうか不思議に思う。もし、問題があると考えるなら、言葉で説得をして、方向性を定めるのは、仕事そのものではないだろうか。それを、どうしてわざわざ、公共の空間で発信するのか理解に苦しむ。議論を場外に持ち出すのもルールに反するだろう。上位の者が下位の者に対して、直接にこのようなことを言えば、いくら趣旨が正しかったとしても、今の世の中ではパワハラにもなりかねない。相手方としても、自分たちのことを「騙すことに長けている」というような相手と信頼関係は結びにくいだろう。