
ヴェルサイユ宮殿の噴水
世界遺産「ヴェルサイユ宮殿」の庭園で催される噴水ショーを、
日本最大級のスケールでノートルダム神戸に再現。
ダイナミックでありながら繊細な水の動きは、
まるで、様々な表情を見せながら華やかに舞うバレリーナのよう。
水と光、そして音が織りなす幻想的な光景は、
ロマンティックで心に深く刻まれる美しさ。
その鮮やかな輝きは、いつまでも記憶に残ることでしょう。
(ノートルダム神戸の前面に設置された看板の銘文)
神戸のウオーターフロントに「ノートルダム神戸」という結婚式場があり、特定の曜日を除いて毎日、日没後に噴水ショーを行っている。噴水ショーは式場の建物に面した南側の庭園で行われ、式場の利用者だけではなく、そこを通りかかった一般の者も自由に観覧することができる。
噴水は、鮮やかな七色の色彩でライトアップされ、それらが、向きを変え、渦巻きのように回転し、まるで生き物のように縦横に動きまわる。水は、最高でビルの4階に達する付近まで吹き上げられ、非常に迫力がある。噴水は音楽に合わせて動きや色調を変え、音楽と光は互いに魅力を高めあい、見る者の心を動かす。もしも筆者が神戸を訪れた旅行者であったなら、このショーを見ることができた一点をもって、神戸を訪れて良かったと思うだろう。その素晴らしさをどのように表現したらいいだろうかと、頭を巡らしていると、冒頭の銘文に出くわした。銘文は、このショーのすばらしさを巧みに表現している。
ショーは、全体で15分間ほどで、3部構成となっている。
第1部は、華やかな宮廷の舞踏会のような軽やかなワルツである。音楽に合わせて、美しいバレリーナが、しなやかに舞い踊るようだ。華やかに、明るく始まった音楽であるが、進むにつれ次第に愁いを帯び、移ろう美しさとはかなさが感じられる。明るさともの悲しさがせめぎあう。しかし、最後には音楽は明るさ、力強さを取り戻し、人生のすばらしさを讃えるかのように壮大に音楽は締めくくられる。
第2部は、第1部と舞台が変わって、中近東風というのであろうか、エスニックなムードである。やはり、異国の踊り子が激しく舞い踊るようで、美しく幻想的な印象である。しかし、終盤に向けて、大いに盛り上がりを見せて終わる。
第3部は、おなじみの、Sarah Brightman & Andrea Bocelli - Time to Say Goodbye である。華やかな祝宴を締めくくるかのような、静かで厳かな美しい音楽である。そして、ここで出会った人々との別れを惜しむかのようだ。音楽は。女声から男声、男女の二重唱と次第に高揚の度合いを高め、それに応じて噴水も、次第に激しさを増し、高揚の上に高揚を重ねるようにして噴水ショーはついにクライマックスを迎える。
このショーの成功は、まず音楽の選曲が優れているところにあるように思われる。もともとが人々の感情を揺さぶる系統の音楽であり、さらに屋外で聞く音楽の感動と噴水の鮮やかな光の連動が相乗効果となって、一層感動を高めることに成功している。
ところで、この噴水ショーを見る観客の数が決して多くないのが、やや残念なところだ。
その原因は、ショーが行われる環境にあると思われる。
ノートルダム神戸は、神戸のウオーターフロントのハーバーランドとポートタワーのあるメリケンパークとの中間点に位置し、観光客が絶え間なく往来する人通りの多い場所にある。ところが、ノートルダム神戸と人々が往来する動線との間に歩行者用の陸橋が立ちはだかり、また、船客待合所(かもめりあ)が斜め前方にせり出し、往来からは目隠しされた状態となり、ショーが行われていても、気づくことなく人々は通り過ぎて行ってしまう。この状態はなんとか解消できないだろうか。往来からも気が付きやすいよう、できれば前方の障害となる陸橋の配置も見直し、多くの人が鑑賞できるような環境整備をしてほしい。
また、神戸市の観光当局でも、神戸のウオーターフロントの観光資源の一つとして、場所や上演時間などをもっと広く周知すべきであろう。
せっかく、これだけの素晴らしい噴水ショーなのであるから、神戸を訪れるできるだけ多くの者が鑑賞することができるならば、神戸のウオーターフロントの観光地としての地位は一層確かなものになるのではないだろうか。






