神戸空港 スカイマークが増便、発着枠が満杯に

 スカイマークが24日、今年3月29日から適用する夏ダイヤを発表した。神戸空港での主な改正点は、次のとおりである。

(1)羽田→神戸を1便増便(羽田21:15 →神戸22:30)

(2)神戸→札幌を1便増便(神戸21:20 →札幌 23:10)

(3)神戸=沖縄を4便(2往復)増便 

 

 今回のダイヤ改正により、スカイマークは6便(3往復)の増便となり、その結果、現在は下記の74便(37往復)であったところ、80便(40往復)に達することとなった。

(改正前のダイヤ)

 羽田 18便( 9往復)

 札幌 12便( 6往復)

 青森  2便( 1往復) 

 仙台  4便( 2往復)

 茨城  6便( 3往復)

 松本  2便( 1往復)

 出雲  2便( 1往復)

 高知  4便( 2往復)

 長崎  6便( 3往復)

 鹿児島 6便( 3往復)

 沖縄 12便( 6往復)

 全  74便(37往復)

 

 昨年5月の3空港懇談会で、神戸空港の発着便数は60便(30往復)から80便(40往復)に拡大、運用時間が午後11時までと1時間延長された。神戸空港は、この拡大枠をわずか1年足らずで使いきってしまったことになる。神戸空港がいかに立地条件にすぐれ、多くの潜在需要を抱え、利用者、航空事業者ともが利用を求めていることを証明した形だ。

 昨年5月の3空港懇談会では、井戸兵庫県知事は60便(30往復)の増枠、合計120便(60往復)への上限緩和を主張したが、関空側の反対に遭いわずか20便(10往復)の増枠しか認められなかった。しかし、この増枠分をわずか1年足らずの期間ですべて消化してしまった。しかも、この間、就航する航空会社が1社増え、神戸空港を拠点化する方針を表明している。今春、3空港懇談会が開催される予定であるが、もはや昨年の120便(60往復)でも十分とは言えないような状況が具体的に見えてきた。次は、そもそも根拠のない不合理な、運航規制の撤廃を考えるべき時期だ。

 一方、関西空港周辺は、「関空独占」の姿勢を崩しておらず、むしろそれを強めているように見える。関西空港の離発着回数を年間23万回から30万回へ3割も増大させようという動きが進んでいる。さらには、関西エアポートが2030年をめどに、関西空港の旅客の受け入れ能力を、現在の2倍以上の年間8000万人規模にしようと目論んでいる。関空側としては、神戸空港規制緩和を小出しにし、できるだけ時間稼ぎを行って、その間に需要を囲い込み、地歩を固めてしまおうという意図と推測する。神戸空港規制緩和は、時間との闘いでもある。

 

 これまでの関西3空港の経緯を調べてみると、関西圏の「南北問題」、「格差是正」のために建設されたのが関西国際空港であり、その決定を行った当時、関西圏の空港機能を泉州沖に一元化することまでを想定したものではなかったにもかかわらず、その後、関西空港周辺が「関西空港一元化論」を主張し始め、特に神戸空港の利用を抑圧し続けてきた。しかし、神戸空港の利用が進むにつれ、その目論見も、世論の前に次第に旗色が悪くなりつつある。

 関西圏は、地理上の条件から、複数の都市圏の複合体であり、それぞれの都市圏がその特徴を活かして発展することが、ひいては関西圏全体の発展につながるのだ。

  過去の経緯に延々とこだわってこのまま衰退の道を歩むのか、規制を緩和し、関西圏全体の発展を目指すのか、答えは明らかである。

 

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