新神戸駅活性化案

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 神戸市内の新幹線の乗降駅として新神戸駅があるが、乗降客数を見れば、新大阪駅は言うに及ばず、広島駅や岡山駅にも見劣りがする状況である。神戸市ほどの大都市にありながら、これほどまでに低迷しているのは、神戸市内及び隣接都市の需要が新大阪駅に流れていることにつきると思われる。では、なぜ新大阪駅へ流れるかというと、新大阪駅がJRの在来線と接続しており、乗り換えが便利であるばかりではなく、運賃面でも経済的であるからだ。

 例えば、東京への運賃は、新神戸駅が15,100円に対して新大阪駅は14,450円と650円安く、三ノ宮駅から新大阪駅までの在来線の運賃550円を加えても、新大阪駅を利用した方が100円安いという状態だ。これに三ノ宮駅から新神戸駅までの地下鉄運賃210円を加えると、片道310円の開きとなり、おまけに乗り換えが1回で済む新大阪駅を乗降駅として選択することは、仮に新神戸駅が最寄り駅であったとしても、合理的な選択となってしまう。

 これに対する対策として、地下鉄三宮駅新神戸駅間に、新幹線乗降客に限り、乗り継ぎ割引(無料化)の導入はできないだろうか。これを導入すれば、新大阪駅との運賃差は+100円だけとなり、新神戸駅を利用することが選択肢となってくる。さらに、新幹線の乗車券は神戸市内のいずれの駅でも同一料金で乗り降りできるので、三ノ宮駅以西であれば、神戸市内発着の方が運賃面で有利なケースもでてくる(例えば、舞子駅新大阪駅920円>新神戸駅新大阪駅の料金差650円)。

 新神戸駅は、近年、全列車が停車するようになり、淡路や四国方面の乗り継ぎ駅としての役割を担うようになってきており、乗降客も増加の傾向にある。これに、さらに従来、新大阪駅を利用していた乗降客の取戻しができるならば、新神戸駅はさらに活況を呈するのではないか。乗降客が増えれば、その消費支出等も期待できる。また人が集まることによって、それが新たな集積を生むことが期待できる。

 都市にとって、利用客が多い交通拠点を持つことは、とても戦略的な課題である。特に神戸市にとって、西日本の拠点都市をめぐって都市間競争の中にあるので、新神戸駅を大きく育てることは、神戸市の発展のために大いに意義があると考える。