ルミナリエ2019 始まる


第25回 神戸ルミナリエ 初日 2019.12.06

 

 12月6日(金)、2019年のルミナリエが始まった。震災のあった1995年に始まり、今年で25回目になる。

 ほぼ例年を踏襲する形式であるが、いくつか異なるところもある。京町筋から西側の玄関部分「フロントーネ」は、昨年にはあった天井部分はなくなったが、緻密に作り込まれた精緻な作品で、とても美しい。過去最高水準の美しい作品だ。シャンデリア状の装飾が吊り下げられているのも新しい試みなのかもしれない。

 東遊園地のメイン作品で、毎年設置される光の聖堂「カッサアルモニカ」が、これまでは垂直の壁が円環状に構成されていたが、今回は、はじめてドーム状の形態が登場した。これまでは周囲だけであった光が頭上にも広がり、こちらも大変すばらしい。

 東遊園地の南側には、点滅する光の壁掛け「スパッリエーラ」が飾られている。こちらは、おそらく制作者が異なるのだろう。本来のルミナリエが、静かな静寂な美しさであるのに対して、こちらは、幾何学模様の反復、組み合わせという点では同様であるが、様々なパターンを変えながら点滅を繰り返すという点が、従来のルミナリエとは異なる。この作品が美しいかどうかというと、決して成功しているとはいえない。点滅させることで、ある意味、けばけばしく、落ち着きがなく、見ようによっては、歓楽街のネオンのようだ。しかし、点滅させること自体は、ルミナリエの可能性を広げるものであり、評価すべきだろう。一概に排除されるべきではなく、今後の発展に期待をしたい。

 また、東遊園地の南側にステージが設けられているが、出演者はジャズとフルートのみだ。ここ数年、神戸市では、ファン層が限定的な一部のジャンルに特化しようとする傾向が続いている。こちらは、もっと幅広くジャンルをそろえるべきで、もっと多くのプレイヤーに舞台を開放すべきだろう。

 ルミナリエは今年で25回を迎える。ルミナリエの成功以来、全国各地で光のイベントが盛んに行われるようになった。地方のイベントでも、非常にすばらしい作品が設置されるようになっている。ルミナリエも時代の流れに応じて変わっていかなければならない。各地の光のイベントを研究し、ルミナリエを発展させていくことが必要だろう。

 ルミナリエは12月6日(金)から12月15日(日)までの10日間の開催予定。

 

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