みなとHANABI-2023ー神戸を彩る5日間 が開催

 神戸の新しい観光資源として観光面での経済効果をはかり、ウォーターフロントエリアの賑わい創出を目的として、小規模分散型の花火イベントを開催。
 1,000万ドルの夜景と言われるポートタワーや海洋博物館など様々な神戸を代表するランドマークを借景にダイナミックな花火を5日間連続で打ち上げます。
メリケンパークからは間近で観る迫力のある花火。
 さらに音楽にあわせて打ち上げる音楽花火となります。

 

(みなとHANABI-神戸を彩る5日間 HP)

 

みなとHANABI -神戸を彩る5日間 (minatohanabi.jp)

 


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 10月16日(月)から20日(金)の5日間に渡って「みなとHANABI-2023ー神戸を彩る5日間」が開催された。従来の「みなとこうべ海上花火大会」とは異なり、分散型の花火大会ということで、1回の打ち上げ数は700発程度、使用される花火も最大で3号玉と、「みなとこうべ海上花火大会」が打ち上げ数1万発、最大10号玉と比べると規模は小規模である。

 しかし、実際に鑑賞をした印象は、予想を超えるすばらしいものであった。やはり、神戸には花火がよく似合う。

 会場はメリケンパークで、打ち上げる場所や打ちあがる高さの問題なのか、花火が非常に近く感じられ、花火の光の粒の一つ一つがくっきりと色彩鮮やかに輝き、とても美しい。上がる花火も、昔のように同心円状に拡がるものだけではなく、いったん上空に打ちあがり、そこから複雑な軌跡を描いて空中を疾走するタイプや、文字や絵柄を描くもの、無数の光が輝きながら枝垂れ桜のように降り注ぐもの、発射地点から箒星のように放物線を描くタイプなど、様々な花火が組み合わされて意趣変化に富み、見ごたえがあった。

 特に、今回、よかったのは、音楽に合わせて花火を打ち上げる「音楽花火」という趣向で、使用する音楽を一般からの投票を行ったことだ。その結果、最近流行のポップ系の音楽が中心となった。それによって、多くの人々、特に若い世代の嗜好にあったイベントになったのではないだろうか。ここしばらく、神戸では、社会の流行とは関係なく、一つ覚えのようなジャズ偏重のイベントを続けており、いったい誰にアピールしようとしているのか疑問に思うことが多かった。今回は、ジャズの「縛り」を解き放って、今様の音楽が使用されたことは非常によかった。神戸の音楽はジャズだけではない。神戸にはジャズしかないかのような偏重は改めるべきだ。

 今回のイベントでは、神戸港メリケンパークのロケーションの素晴らしさを改めて感じることができた。夜に見るその景色は、写真でみるとそのスケール感がわからないが、実際にその場に立ってみると雄大で壮麗である。赤と青のライトに染まる海洋博物館、たくさんの青白いランプが浮かび上がらせるオリエンタルホテルのユニークなフォルム、オレンジ色の無数の光がちりばめられた宮殿のようなモザイクの姿、鮮やかな模様を描き出す観覧車、それらを映し出す港の水面、そして、背後には林立する三宮の高層ビル群と、漆黒の巨大な空の下で、美しい光に彩られた建物がぐるりと周囲を取り囲むその壮観は、国内で比較できるものはないだろう。

 そのような舞台で打ち上げられる花火の美しさは無類のものであった。美しい神戸港の夜景と花火、これは神戸の観光振興の重要なコンテンツになり得るのではないだろうか。

 会場には大勢の観客が訪れ、外国人の姿も多く見られた。

 すべての花火が終わると、観客から自然発生的に拍手が沸き起こった。

 ネット上でも評判が高く、会期の終盤に向かうに従って、盛り上がりを見せる状況であった。この盛り上がり方は、ルミナリエのそれと似ている。ネット上には、会場から撮影した動画だけではなく、市街地のあちこち、大丸前の交差点やハーバーランドポートアイランドの北公園やしおさい公園から撮影された動画がいくつも投稿された。それらの動画には、様々な場所から神戸の美しい夜景を背景に花火が打ちあがる様子が収められており、港を取り囲んで街が構成されている神戸ならではの光景の素晴らしさを伝えている。

 今回、平日の6時30分開始で、この時間帯に見物に来ることができるのは、限られた人たちであったであろう。しかし、多くの人々がこの10分間のイベントを見物に訪れた。中には、ゆかたを着て見物に来た人の姿もあった。やはり、皆、花火が大好きなのだ。

 今後もこの形式の花火大会が継続されるものと思われる。

 やはり、花火を行う以上、十分に広報もし、多くの人々が見物できるようにすることが重要である。シークレットやサプライズなど、論外だ。

 もし、できるなら、一定の時期に定期的に曜日を定めて、継続的にこの花火イベントを行ったらどうだろう。例えば、7月から12月にかけて、毎週土曜日に花火を打ち上げる。花火を打ち上げる時間は6時30分では少し早いように思われる。7時30分頃に打ち上げれば、遠方からの観光客も訪れることができるだろう。そして、花火が始まるまでに神戸で食事を楽しめるかもしれない。週末に合わせて神戸を訪れ、宿泊をする者もあるかもしれない。

 また、船の上から花火を観る企画や、ビーナスブリッジや新神戸ロープウェイなどの山上から港の花火を観る企画を立てれば、なお人気を集めるのではないだろうか。

 

 

firemountain.hatenablog.jp

 

(神戸海洋博物館)

 

メリケンパーク オリエンタルホテル)

 

ハーバーランド モザイク)

 

神戸ポートタワーと神戸海洋博物館)