関西3空港懇談会とりまとめを読む(その7)

 今回の3空港懇談会のとりまとめを読むと、次のことがわかる。

(1)国のインバウンド6000万人の計画にしたがって、関西3空港の最適運用を行う必要にせまられており、結果的には神戸空港の運用拡大と国際化が行われざるを得ない。

(2)(1)にかかわらず、神戸空港規制緩和に対する関西空港周辺自治体の反発は今なお大きいため、それを刺激しないよう、関西空港が基幹空港であることを再確認していると考えられる。

(3)今後、段階的かつ着実に、神戸空港の運用拡大と国際化を進めるという積極的な意思が読み取れる。


 この合意は、長年不動であった神戸空港の規制が緩和されたもので、まさにブレイクスルーであり、画期的な合意だ。

 

 今回の動きを振り返ると、今回の規制緩和については、実は、神戸市は主体ではなく、国や周囲の状況がこの動きを引き起こしており、神戸市の思惑を超えて事態が急速に進んでいるのではないかという印象を受ける。

 事態は急速に変化している。神戸空港が、本来の能力を発揮し、国内有数の空港、関西の第二の国際空港として飛躍する日は近い。兵庫県知事が、神戸空港の2本目の滑走路を議論する日はそう遠くはないというのは、決して誇大な話ではないだろう。それを見越して、着実にアクセスやターミナルの機能強化が図られるべきだ。しかし、それらの判断も、神戸市の外部で決せられるのかもしれない。