世界中が新型コロナウイルス禍に見舞われた2020年は、神戸にとっても明るい話題の少ない1年であった。しかし、そうした中で次のような取り組みが行われた。
消防艇が定期歓迎放水でおもてなし
~神戸を訪れるすべての人に元気を!明るさを!~
神戸を訪れるすべての人へ、“コロナに負けるな!”“頑張ろう神戸!”などのメッセージを込めて、消防艇による歓迎放水を定期実施します。
これまでは外国客船が神戸港に入港・出港する際に、乗船客に対して歓送迎の放水をしていましたが、新型コロナウイルスの影響で低迷する市内の観光振興策のひとつとして行います。
1.放水の概要
メリケンパーク内のBEKOBEモニュメント南側海上にて、15時から約15分間のカラー放水を行います。見応えのある放水で皆様を元気づけます。
2.期間
令和2年8月21日以降の毎週金曜日、令和2年12月25日までの間(計19回)
(以下略)
(神戸市記者資料提供 2020/8/14)
神戸市の水上消防署が、新型コロナウイルスの影響で低迷する市内の観光振興策のひとつとして実施をしたとのことだ。最終日には、夜間の放水も行ったようだ。夜間の放水はライトアップされて、幻想的でとても美しい。
今回の取り組みは「新型コロナウイルス下での観光振興」を目的に挙げているが、今後も新型コロナウイルスとは関係なく、神戸の観光施策の一つとして実施すればよいと思う。
当ブログでは、兼ねてより、神戸港一帯に観光施設を集約し、テーマパークのような場所にしてはどうかと提案している。
神戸港は神戸の有力な観光資源であるが、もっと有効に活用すべきだと思う。神戸港の眺めは開放的ですばらしいものであるが、実際に訪ねてみると船の出入りが頻繁にあるわけでもなく、案外、動きのない静的な風景で、残念ながら今ひとつ見所に欠けるように思う。この静的な風景に動きを与えるものとして、消防艇による放水はちょうどよいアクセントになるだろう。これまでもクルーズ船の入港時などに消防艇の歓迎放水が行われていたが、歓迎を受けるクルーズ船からはともかく、陸上からでは距離が離れすぎていてその迫力を十分に感じることができなかった。しかし、メリケンパークの目の前であれば、多くの人がその迫力を十分に感じることができるだろう。
消防艇は大型港湾ならではのものであり、定期的に実施すれば、港町神戸の名物になりうるものだろう。
また、次のようなイベントも行われた。
アジア初!神戸の夜空にレーザーアートが出現します
ーGlobalRainbow @kobe2020ー
趣旨
一般財団法人神戸観光局は、神戸港ウォーターフロントエリアのさらなる魅力向上の取り組みとして、ニューヨーク/ベルリンを拠点として活躍する女性ビジュアルアーティストYvette Mattrn(イヴェット・マターン)氏により独自開発された7色のハイパワーレーザーを使用した巨大なパブリックレーザーアート「GlobalRainbow(グローバルレインボー)」を神戸港内から六甲山系に向けて出現させます。
本作品は、これまでにアメリカ(ニューヨーク、ピッツバーグ、ニューヘイブン)、イギリス(ロンドン)、ドイツ(ベルリン)、スウェーデン(スモーゲン)など、世界の主要都市で展示されていますが、美しい神戸の港が本作品のイメージと重なり、アジア初の展示に至りました。
実施概要
本事業は、中突堤やメリケンパーク等を中心に、広域および夜間なら期間中いつでも鑑賞できるスケールの大きな広域アート作品とすることで、観客が一か所に集中しない、公共交通機関が混雑しないなど、withコロナ時代の「新しい生活様式」を意識した観光施設・観光商品等のケーススタディとして、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」における実証事業(1次募集)に採択され、「あたらしいツーリズム」の一環で実施しています。
■名 称:GlobalRainbow @kobe2020
■展示期間:令和2年12月4日(金曜)~12月13日(日曜)
■照射時間:日没後~21時
■主催団体:一般財団法人神戸観光局、神戸市港湾局
■協 力:神戸学院大学、神戸港“U”パークマネジメント共同事業体、メリケンパーク協議会、阪神高速道路株式会社、兵庫森林管理署
■WEB:https://globalrainbow-kobe.jp(外部リンク)
(神戸市記者資料提供 2020/11/24)
神戸市:- GlobalRainbow @Kobe 2020 -
神戸港内から六甲山系に照射されたというから、海と山が近接する神戸の地理を活かしたイベントといえるだろう。これまでにも、ニューヨーク、ロンドン、ベルリンなど世界の主要都市で開催され、アジアで初の都市として神戸が選ばれたとのことだ。今回は、新型コロナウイルス禍の中であったから、多くの人がこれを見に訪れることが難しかったとは思うが、こうした先進的な取り組みが行われたことは評価できる。
こうしたイベントが実施できるのは、都心の中心部に神戸港という大空間を擁する神戸ならではだ。これを一過性のものとせず、できれば継続的に実施してほしい。