神戸空港の国際化の決定から1カ月、施設を所有する神戸市によるインフラ整備が動き出した。国際チャーター便が解禁される2025年をめどにターミナルビルを新設し、国際定期便が就航する30年前後に駐機場を倍増させる。脆弱な交通アクセスの改善にも着手し、インバウンド(訪日外国人)の本格回復を見据えた態勢の整備を急ぐ。
(日本経済新聞 2022/10/20)
神戸空港の国際化が決定され、神戸空港のインフラ整備の方針が明らかになってきた。新しいターミナルビルは2025年をめどに整備され、駐機場の拡張も行われるようだ。
10月19日に開かれた神戸市の経済港湾委員会の資料を神戸市のHPで見ることができる。
20221019_kouwan3.pdf (kobe.lg.jp)
それによると、規制緩和後の需要予測は、国内線510万人、国際線190万人で、合計700万人を見込んでいるとのことだ。国内線、国際線の路線別の旅客数、1日あたりの発着回数も示されている。
就航都市は現在から倍増し、日本全国の諸都市と結ばれ、神戸は西日本の交通中心都市としての地位が大いに高まると考えられる。発着回数の拡大は、就航都市の拡大、発着頻度の増加につながり、量の増大は、質の向上に転化する。空港の質の向上は、都市全体の生産性を高めることになるだろう。
利用客数の増大に伴い、空港の機能の拡大が重要な課題となる。
上記の資料では、空港の区域拡張と、整備後のイメージが示されている。
具体的には、西側部分への告示区域拡張と、旅客ターミナルの拡張、サブターミナルの新設、駐機スポット数を現在の10から21へ倍増、駐車場を拡張する計画が示されている。
この図では少しわかりづらいので、航空写真の上に、旅客ターミナルとサブターミナル(赤色)、駐車場(緑色)、駐機スポットの拡大部分(黄色)を落とし込んでみた。
(Googleマップの航空写真を加工)
これを見ると、これまで空き地となっていた西側部分にサブターミナルが建設されることになり、これが、おそらく国際線ターミナルになるものと思われる。一方、既存の旅客ターミナルも大幅に東側に拡張され、現在の倍以上の規模に拡大されているように見える。こちらは、国内線の旅客数増大に対応するものだろう。
新聞の報道では、国際チャーター便が解禁される2025年をめどにターミナルビルを新設するとのことなので、今後、急ピッチで整備が進んでいくものと思われる。
これまで神戸市は、神戸空港の国際化について発信することはほとんどなかったが、9月18日の関西3空港懇談会の合意以降は、神戸市のHPでも前面に大きく取り上げており、神戸空港の国際化が、はじめて公に認知されたということを物語っている。