神戸空港 新ターミナルの整備について(2023年5月10日神戸市長定例記者会見)

 神戸空港の新ターミナルの整備について、5月10日の神戸市長の定例記者会見の議事録を神戸市のHPで見ることができる。

 

神戸市:定例会見 2023年5月10日 (kobe.lg.jp)

 

 その内容及び質疑応答から、神戸空港の新ターミナルに関する情報を整理してみよう。

 久元市長が説明した内容は、おおむね次の通りである。

(1)昨年9月の第12回関西3空港懇談会において、2025年の国際チャーター便の運用開始、国内の発着枠の80回から120回への拡大、および2030年前後の国際定期便の就航が決まり、これを踏まえた整備として新ターミナルを建設する。

(2)国際便は、国際チャーター便の受け入れから始め、順次発着枠を拡大し、40便まで拡大される。

(3)駐機スポットを現在の10から21に拡大する。

(4)ポートライナー神戸空港駅と、新たなターミナル駅との間は約400メートルの距離があるため、当面はバスによる移動とするが、できるだけ早く、LRTを敷設したいと考えている。

(5)今回、決定した事業者と契約を締結しm2025年2月頃の完成となり、3月から始まる夏ダイヤに間に合うように整備を進めていく。

 

 これに対する質疑応答のいくつかをピックアップしてみよう。

記者:今回新しく整備する新ターミナルなんですが、これは、国際チャーター便及び国内線の40回の拡大分、これを対象にしたターミナルという位置づけでよろしかったでしょうか。

久元市長:そうです。

記者:市長がおっしゃっているように2030年前後には、国際定期便の就航の方針だと思うんですけれども、こちらのターミナルが定期便においても活用するという位置づけなんでしょうか。


久元市長:いえ、国際定期便、2030年頃の就航を想定している国際ターミナルは、別途これは整備することを予定しております。別途整備をいたします。

記者:それはやっぱり旅客ターミナルの東側に貨物ターミナルがあると思うんですけど、あの辺りが定期便の就航場所として想定されるということなんですか。

久元市長:現時点は未定です。これから並行して作業しなければいけないと思いますが、もう少し空港のエリアの様々な施設配置を検討した上で、国際定期便に利用される新たなターミナルの絵を描いていきたいと思いますが、今現時点ではまだ具体的なプランはありません。

 

(神戸市長会見 2023/5/10)

 今回整備されるターミナルは、国際チャーター便及び国内線の40回の拡大分を対象とするものであることを認めている。また、2030年頃の就航を想定している国際ターミナルは、この新ターミナルとは別に整備することを予定しているが、設置する場所など具体的なプランはまだないと述べている。

 

記者:あと、建物の配置を拝見しますと、新ターミナル、緑地空間、そして現行のターミナルという並びになっていると思うんですが、よく空港の場合はターミナル同士の利便性というのが優先されていることが多いんじゃないかなと思いますが、あえて緑地空間をその間に挟んでいる、ここの意図や思いをもう一度お話しいただけないでしょうか。

久元市長:緑地空間を設けたのは空港そのもののコンセプトとして、神戸はもともと海もあり山もあり、自然環境にも恵まれているし、コンセプトとして緑豊かな空間にしたいということが1つです。もう1つは、今のターミナルと新しいターミナルとの機能的な関係、どういう位置関係にしたのかということについては港湾局から説明させていただきます。

職員:今回の施設の配置でございますが、基本的に今回の新ターミナルにつきましては、西側のエプロンを基本的に使用していくという形でございます。したがいまして、エプロンの航空機と旅客の飛行機への動線、あるいは手荷物の動線、こういったものの視点と、それから、新ターミナルと現行ターミナルの位置関係の2点について考慮する必要がございます。総合的に検討した結果、現在の位置ということで事業者のほうから提案を受けたということでございます。

 

(同)

 

 新ターミナルの配置について、現行のターミナルとは距離があり、利便性の観点からあえて緑地空間をその間に挟んでいることについて、その意図を問う質問があった。これについては、市長自ら答えず、職員に回答させている。その説明によると、旅客の飛行機への動線、手荷物の動線の視点と、それから、新ターミナルと現行ターミナルの位置関係を総合的に検討した結果、事業者から提案された場所であるとのことだ。

 この説明は、正確でないように思われる。というのは、今回の事業者の公募・選定の入札関係資料(要求水準書及び提案の要件)において、事業実施予定地について新ターミナルの建設敷地の範囲(赤枠)を指定しており、今回採用された事業計画は、この赤枠の中で最大限東寄りに位置しているからだ。となると、この回答では、なぜ、この範囲を建設敷地に定めたのかについて、何も答えていないことになる。

 

 

 前回の記事で、この点について疑問を呈したが、同様の疑問が記者の中からも発せられていたことがわかった。建設敷地は、今からでもポートライナー神戸空港駅前に変更すべきではないか。

 

 

firemountain.hatenablog.jp

 

 

記者:駅からのシャトルバス運行とおっしゃっていましたけども、そちらに関しては無料の送迎という形で考えていらっしゃいますでしょうか。

久元市長:そうです、無料です。

(同)

 

 新ターミナルまでのアクセスとして、神戸空港駅から無料のシャトルバスを運行する考えのようだ。

 新ターミナルのアクセスについては、当面はバスによる移動とするが、できるだけ早く、LRTを敷設したいと市長が述べている。この発言については、この会見議事録を見るまで、記者の質問に対する回答の中でのものと理解していたが、会見の本体の中で述べられたものであり、これは注目に値する。

 今年の新年早々の神戸新聞で、神戸市が神戸空港と三宮を結ぶ地下鉄新線の建設の検討を行うとの報道があったが、久元市長の念頭にあるのはLRTであるようだ。

 LRTは輸送力の点でバスよりは大きいが、一般的に1編成あたりの定員が50人から150人程度で、鉄軌道はおろか新交通にも及ばない。また、路面を走行するのであれば、東西に幹線が何本も通る神戸の市街地を多頻度で円滑に走行させられるのであろうか。また、運転士の確保も必要になる。そうした課題を克服するものとして専用軌道による無人運転新交通システムが登場したのではないだろうか。