映画の街 神戸

 神戸フィルムオフィスは神戸市のフィルムコミッションとして2000年9月に設立されました。以来、行政やまちの方々からの理解を得て、規模の大小に関わらず、様々な撮影サポートをしています。

 神戸は海や山、高層ビルが立ち並ぶ都会的な市街地、ヨーロッパの香りただよう街角、昭和の風情が残る町並み、また温泉街や田園地帯など、さまざまな顔がコンパクトに詰まっています。

 製作者の方には、それぞれに映る神戸を自由に切り撮っていただければ嬉しく思います。また市民の皆さまには映像を通してみる神戸に、新たな魅力を発見していただければと思います。

 

神戸フィルムオフィス -KOBE FILM OFFICE-

 

 神戸フィルムオフィスは、神戸市を拠点とするフィルム・コミッションである。フィルムコミッションは映画等の撮影場所誘致やロケーション撮影の支援をする機関である。映画撮影などを誘致することによって地域活性化、文化振興、観光振興を図ることを目的としている。

 映画作品が撮影場所と分かちがたい印象を与えている例は少なくなく、大林宣彦監督の尾道3部作は有名だ。元々の観光地が映画の舞台としてさらに広く知られるきっかけになることもあるが、映画によってこれまで観光地でなかった所が映画の撮影場所として有名になり新たな観光地となるケースも多く、尾道のケースはこちらの方だろう。

 映画作品が素晴らしければ、「ローマの休日」のように、舞台にエピソードが加わり、聖地のような場所になることもある。

 映画を撮影するには多くのスタッフが長期間にわたって滞在することになるため、それ自体が経済効果も期待できる。

 神戸では、2009年にフィルムコミッションが設立され、「アウトレイジ」や「日本の一番長い日」など多くの作品が神戸で撮影された。最近では、神戸高校で実際の生徒がエキストラとして出演した「思い、思われ、ふり、ふられ」、神戸を舞台とする、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した「スパイの妻」などがある。

 神戸は映画の撮影地に非常に適した街であるに違いない。神戸は海と山にはさまれた元来風光明媚な都市であるし、ビル街や農村、住宅地、港に空港、レトロ建築、動物園に水族館、寺院や神社、牧場に漁港、スキー場、中華街、温泉 等々、神戸にないものはないといってもよいぐらいだ。しかも、狭いエリアに、ほとんどテーマパークのようにいろんなものが隣り合い、凝縮されている。神戸であれば、あらゆるシーンの撮影が可能だ。温暖で明るく雨の少ない気候も有利な点だ。また、大勢のスタッフを収容できる宿泊施設もある。おまけに交通も便利だときている。

 映画撮影地として神戸ほど優れた条件がそろっている街はないだろう。そこで、素晴らしい作品、人々の心に残るシーンが撮影されれば、その記憶が新たな街の財産になり、それを求めて大勢の人々が訪れる。映画の誘致、撮影については、行政とも協力し、市民全体で盛り上げていきたいものだ。