新型肺炎の流行について(34)

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、社会はお盆休みに突入した。

 

f:id:firemountain:20200815235418j:plain


(出典:厚生労働省HP)

 

 

 お盆休みの帰省が始まりましたが、8日の全国の観光地の人出は去年に比べて大きく減っていることが分かりました。

 KDDIによりますと、8日午後3時台の主な観光地の人出の減少幅は、去年8月の休日の平均に比べて三重の伊勢神宮で44.5%、金沢の兼六園で31.6%、熊本城公園で31.5%となりました。また、東京に近い地域でも浅草で37.5%、軽井沢で43.5%、静岡・熱海温泉で35.1%減るなど、新型コロナウイルスの影響で異例のお盆休みになっています。政府はお盆の帰省について一律の自粛を求めていませんが、高齢者などに感染が広がらないよう感染防止策の徹底を呼び掛けています。

テレビ朝日 2020/8/9)

 

 

 お盆休みの各地の観光地の人出は、平年に比べれば、大幅に減少しているそうだ。おおよそ3~5割の減少幅ということで、感染の警戒をしている人が多いことを表すものである。しかし、それにしても、減少幅は3~5割ということであれば、半数以上の人は外出の自粛はしなかったということだ。 

 街中への人出の状況を、NTTドコモが「モバイル空間統計」として発表している。「感染拡大以前」と比べて人出の状況がどの程度減少しているのかを表すものである。(平日は平日平均と、休日は休日平均と比較。)

 下は大阪梅田のグラフである。

 

f:id:firemountain:20200815235505j:plain

 (出典:日テレニュース データとグラフでみる新型コロナウイルスより)

 

 緊急事態宣言下にあった5月初旬は感染拡大以前と比べて、人出は7~8割マイナスの水準で推移していた。その後、宣言が解除され、次第に人出が増えてマイナスの値は小さくなり、6月下旬には人出は1割~2割マイナスという状況となった。6月の下旬から感染の再拡大が言われ、再び警戒が呼びかけられるようになったが、現在の人出の状況は2~3割マイナスといったところで、緊急事態宣言下の5月初旬とは比較にならない減少幅だ。ここから予想されるのは、警戒が呼びかけられているが、人出の減少幅を人々の警戒行動のレベルを表す指標と考えるならば、それほど人々の警戒行動が強まっているということではなく、再拡大は今後も続くのではないだろうか。お盆の休み明けには感染拡大の勢いがさらに強まるのではないだろうか。

 

 世界全体を見ると、8月14日現在で、感染者数は2090万人(1908万人)、死亡者は75万人(71万人)となっている。この1週間で感染者は182万人増加している。累積感染者の推移を示すグラフは右肩上がりで、ゆるやかに上方に反った形状である。(( )内は8月7日現在)

 ついに世界の感染者数は2000万人を突破した。死亡率は3.5%の計算になる。