関西と神戸の都市戦略

 

 福岡が現在発展している理由は、アジアとの距離の近さ、交通利便性がすぐれている点であろう。博多は古くから、中国と交通の窓口であった。戦後、中国の情勢は安定しなかったが、近年は情勢が安定し、経済発展が著しい中で、新幹線のターミナルであり、福岡空港を有するという利便性が今日の飛躍を支えているのであろう。

 航空機の時代は距離を超えることが可能となる。十分なインフラを整備してアジア経済圏との連結を強めれば、関西がアジアとの最大の窓口になる可能性がある。特に、文化・観光資源の最大の集積地であることを考えると、その可能性は大いにある。現に戦前は関西が日本の経済の中心地であったが、それは大陸との窓口としての役割が大きかったと考える。

 神戸は、神戸港及び神戸空港を整備し、関西の交通拠点の一翼を担い、関西圏全体の発展を目指すべきだ。そして、その中で、関西三都の一角を占めるべきだ。関西は、空港問題で足を引っ張り合っている場合ではない。