東京ドーム、大阪ドーム等の大規模スタジアムは、スポーツのフィールドであるだけではなく、国内外の著名なアーティストのコンサート会場等として利用されている。これを神戸に建設できないだろうか。
（１）大規模スタジアムの条件
スタジアム建設の条件を考えてみる。
① スタジアム建設には、広大な敷地が必要である。本体部分だけでも、大よそ２００メートル四方、４ヘクタールの敷地が必要である。
② スタジアムには大量の観客が来場し、それを短時間に輸送しなければならない。ざっと５万人が公演の終了後に一気に退場するので、それを滞留することなく輸送できる交通機関が付近になければならない。
③ スタジアムは、人口が集積している地域にあるのが望ましい。周囲に大量輸送機関があったとしても、都心から何時間もかかるような山中では意味がない。
調べてみると、現存する大型スタジアムは、だいたいこの条件を満たしていることがわかる。また、国内でその条件を満たせる場所は、なかなか見つからない。
（２）神戸市内での候補地
そもそも、そのような大規模な敷地が市内にはあまり残されていない。ポートアイランドはどうだろうか。ポートライナーの輸送力は、１編成３００人として１時間に最大３０本としても９０００人にしかならない。（上下で１８０００人ではないかとも考えられるが、ほとんどは三宮方面に流れるので、実質的には、この程度の輸送力になるだろう。）つまり、ポートライナーでは輸送力が全く足らない。したがって、ポートアイランドではせいぜいワールド記念ホール（８０００人）ぐらいの規模が限度だ。
（３）もっとも適しているのは、みなとのもり公園だ。阪神（５００ｍ）、ＪＲ（６００ｍ）、阪急（７００ｍ）、ポートライナー（２００ｍ）が徒歩圏で、近畿圏全域に輸送が可能なので、アクセスが極めて便利だ。これだけでも十分なのだが、さらに利便性を付け加えたい。例えば、ポートライナーの新線（東線）を敷設して、新神戸から神戸空港まで結ぶとする。通常、コンサートは９時頃に終了する。コンサート終了後、観客は、近畿圏はもとより、日本全国日帰りで帰宅することができる。極めて便利で、このような利便性は他の施設では提供できないものだ。だから建設する価値があると思う。（例えば、大阪ドームは、最寄りの伊丹空港が９時門限のため、空港からの利用が不便だ。）
現状でも、ノエビアスタジアムがあるのではないか、という疑問がある。しかし、ノエビアスタジアムの収容力３．４万人は大阪ドームより少ないし、輸送機関は海岸線だから輸送力でかなり劣るだけでなく、三宮からの乗り継ぎが必要であるので、大阪方面からの不便は否めない。いずれの点をとっても大阪ドームにとうていかなわない。
（５）神戸で建設することのメリット
大阪ドームはプロ野球のフランチャイズになっているので、春から夏にかけてコンサート等には使用ができない。
また、阪神やオリックス等のプロ野球の試合も一定見込めるだろう。
（６）建設する場合は、商業ベースで、民間資本に委ねるべきだろう。民間資本は、神戸資本だけではなく、全国から求めるべきだ。
（７）神戸市は、単に地元の特産品を掘り起こすだけでなく、都市の特性を生かしたプランを提示して、全国的な資本を呼び込むことを考える必要がある。
