神戸は「ちょいコア」?

(1)神戸三宮の利点は、①大阪をもしのぐ、西日本で最も利便性の高い交通環境(例:東京に最も近い、関西圏で中国四国九州へ最も便利 など)、②風光明媚で快適な都市環境、③外国人学校や全国有数の進学校を擁する高い教育環境の3点に集約できる。これらの利点を正しく周知し、オフィスビル街を整備する等の努力をするならば、神戸に拠点を設ける企業はそれなりにあるのではないかと思う。

(2)「ちょいコア」という言葉は、神戸市の担当者がコンサルタントの名を借りて発信しているものではないかと推測するが、あまり良い印象を受けない。神戸の利点を正々堂々と主張しないで、穴場狙いのような自嘲的なアピールに聞こえ、逆に神戸の都心を貶めるのではないかと思う。横浜へ移転した企業は「ちょいコア」を狙って進出したのか?「ちょいコア」と言われたら、その地に最適性を見出して移転しようと考える企業も二の足を踏んでしまうのではないか。

(3)神戸市はこれまで埋め立て地の土地処分が最優先で、都心での企業の集積を怠っていたと思う。その歪は、ポートアイランドにも表れている。医療産業はともかく、土地を一日も早く処分せんがため、細分化し、その立地条件にふさわしいとはいえないような企業群が関連性もなく進出している姿を見ると、ビジョンのなさ、計画性のなさを見る思いがする。あれだけ交通の便がよく、広大な土地があったのだから、日本有数のコンベンションセンターや大規模集客施設も可能だったのではないか。

(4)神戸市の都心の将来構想でも、こういった神戸の属性を踏まえて議論をし、どういう機能を都心に配置すべきか構想すべきところを、その後幾分修正はされたが、当初、「歩きやすい街」という地方の小都市の模倣のようなコンセプトしか提案できなかったのは非常に残念なことであった。民間のデベロッパーとも協力してやっていく必要があるので、神戸市が神戸の利点を的確にアピールして明確な将来像を提示することが必要だ。