神戸空港規制緩和

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 ここに来て、大阪府知事関経連会長等から神戸空港規制緩和に前向きな発言が相次ぎ、大阪市長からは「海上空港を生かし国際化、24時間化、ハブ化を目指すべきだ」との発言まであった。これらの発言は、関西エアポート側の意向を反映していることは間違いないであろう。神戸空港は、今後、予想を超えるスピードで大規模な国際空港に変貌していく可能性がある。

 規制緩和により、いよいよ神戸空港が本来有する優位性が発揮されることになる。その優位性とは、神戸が中国、四国地方を束ねる扇の要の位置にあり、新幹線や高速道路等でそれらの諸都市と直結されていること、京都・大阪・姫路等と多頻度大容量の高速鉄道で結ばれていること、人口2000万人の近畿圏の中でも人口集中地帯にあって1時間圏に1000万人の人口(関西空港は400万人)を有すること、騒音問題の少ない24時間利用可能な海上空港であることなどが挙げられる。

 現在のわが国の空港の利用者数は、首都圏が羽田と成田を合わせて1億1600万人に対して、近畿圏は関西、伊丹、神戸を合わせて4200万人で首都圏の36%、首都圏の人口が4000万人に対して近畿圏は2000万人で首都圏の50%であるので、人口比で言えば近畿圏は5800万人の利用者数でもおかしくない。また、近畿圏が中国をはじめアジアの諸国と地理的に近く、文化観光資源の国内最大の集積地で、西日本の首都的な位置づけを有することを考えれば、利用者数はさらに増えることも考えられる。関西空港だけでは3000万人が限度と考えられるので、神戸空港は少なくとも1000万人以上の利用が見込まれることになる。滑走路1本で運用している福岡空港が2000万人を超える利用者数であることを考えると、将来的に、神戸空港は利用者数2000万人程度の国際空港になることも考えられる。

 神戸を取り巻く環境は今後劇的に変わることになる。神戸は陸海空の交通の拠点として、再び世界との窓口になる。そうした位置づけを踏まえて、都心の再開発を行うべきであろう。