「神戸港将来構想(案)」について

 神戸市では、神戸開港150年の節目の年に、概ね30年先を見据えた、神戸港の目指すべき将来像を示す「神戸港将来構想」の策定に向けた取り組みを進めております。つきましては、その案に対し、みなさんのご意見を募集します。(神戸市記者資料提供(平成29年5月22日)

 神戸港の西域を物流機能から転用する方向はよいと思うのだが、「豊かな生活環境の創出」、居住機能の導入と言いながら光のショーを行うとしたり、将来像が中途半端で何をしたいのか不明確の感を否めない。それが「ラグジュアリーな場」という用途を示さない抽象的な見出しに表れているように思う。筆者は、転用の方向は「観光施設化」であると考える。神戸港西域は観光ゾーンに転用することを明確に打ち出すべきだと思う。大阪や京都と差別化するのは、海を中心とした都市景観であると考える。テーマは「海の見える***(ホテル、遊園地、コンサートホール・・・)」です。神戸港の西部のエリアを全体として「ポート・パーク」として観光施設であることを明確に打ち出してはどうか。(ディズニーリゾートにおけるディズニーシーのようなポジション)

 具体的には、まず、ポートアイランドの北西部を物流機能から解放すべきだ。神戸市はポートアイランドしおさい公園を景観の基準点としながら、その近辺を物流機能として使用し続けるのは支離滅裂だ。ポートアイランドの北西部は、六甲山、神戸港、市街地という神戸ならではの景観を同時に見渡せる貴重な場所なので観光施設化(遊園地、リゾートホテルなど)すべきだ。それは同時に市街地側から南側の景観をより華やいだものにする効果がある。

市街地側(新港地区、みなとのもり公園)は、陸海空の交通の要衝であり近畿圏だけでなく西日本全域から人が集まりやすいという利点を生かして、海に隣接した大型のコンサート会場、野外音楽堂(全国的、世界的なアーティストのコンサート会場に選ばれるような個性的もの)、コンベンション会場を立地させ、その周囲にリゾートホテルを集中立地させ、さらに観光客向けのショッピングセンターも配置する。

 市街地側とポートアイランド北西部の間の海域で水上ショーを行い、その周辺を観光船はもとより、ヨットやクルーザーを周遊させ、海洋系のレジャーを集積させる。ヨット・カッター・カヌー・帆船、船員体験等の体験型観光施設やカワサキワールド等の企業博物館等も集中立地させる。将来的には、ポートアイランドの東北部はテーマパーク等に転用できれば良いと思う。

 神戸は「おしゃれ」で「ハイカラ」だからPRさえすれば人が集まるはずと考えるのは、根拠がない。神戸市の観光施策は、こうした独善性を感じる。神戸は、地域の個性を打ち出すのではなく、だれもをそのまま受け入れる寛容性・包容性のあるコスモポリタンな都市であるべきなのではないかと思う。「個性」へのこだわりが神戸市を袋小路に追い込むことになる。