百貨店商圏の安定性について

 地区別の百貨店年間売上高(日本百貨店協会)をみると、神戸を1とした場合、大阪は、2004年は4.82となり、阪急梅田店の建て替えが始まる2005年からこの値が下がり始め、2010年に4.37まで下がり、阪急梅田店の全面改装直後の2013年に5.24、2014年に5.20を付けた後、2015年は4.88にまで下がっている。これを見ると、百貨店の商圏というのは比較的安定的で、大阪の百貨店増床競争は、大阪地区のパイの奪い合いに過ぎなかったと言えるのではないかと思う。

 ここからさらに考えると、大阪の商圏は周囲を競合都市に囲まれているために拡大しにくい構造があるのではないかという仮説が生まれる。これに対して、中国四国地方の交通の結節点であり、西側に競合する都市がない神戸はポテンシャルが高いと言えるのではないだろうか。