関西空港と神戸

 神戸の凋落は、関西国際空港泉南設置から始まったように思う。関空の設置問題は、当時、伊丹空港を廃港にし、関空をどこに設置するかという議論だったのだが、その前提で、もし、泉南に設置されれば、神戸市民は、航空機を利用する場合、わざわざ大阪を経由して泉南まで行かねばならなくなる。神戸は、航空交通においては、一気に交通優位性を失うことになる。神戸市民にとってこの選択肢はあり得ないと思われるから、神戸市としては神戸沖設置に全力を上げるべきであったと思う。結局、神戸空港の開港は、後知恵ながら、神戸のこの交通優位性の喪失を修正しようとする動きであって、やむを得ないことと思う。