みなとのもりスーパーアリーナ構想

ジーライオンアリーナ神戸開業3カ月 初年度施設稼働率「80%以上に」 渋谷社長、好調な滑り出しに手応え

 神戸港の新港地区に新たな集客施設ジーライオンアリーナ神戸」が開業し、3カ月が過ぎた。運営する「One Bright KOBE」(ワンブライトコウベ、神戸市中央区)の渋谷順社長(61)は、初年度の施設稼働率が「80%以上になる」と、好調な滑り出しに手応えを感じる。渋谷社長は新機軸のイベントなど、顧客に新たな価値を提供し続ける考えを示した。

 

神戸新聞 2025/8/1)

 

ジーライオンアリーナ神戸開業3カ月 初年度施設稼働率「80%以上に」 渋谷社長、好調な滑り出しに手応え|経済ニュース|神戸新聞NEXT

 

 

「TOTTEI」経済効果 年252億円 同志社大と運営会社が共同研究で推計 神戸ウオーターフロントエリア

 

 約1万人収容の「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」と、隣接の緑地パークから成る神戸港のウオーターフロントエリア「TOTTEI(トッテイ)」(神戸市中央区)を運営する「One Bright KOBE」(同)は、同エリアの経済効果が年間約252億円と推計されると発表した。同志社大学との共同研究で調査・分析した。

(略)

 また、同研究では同エリアによって周辺に生まれる雇用人数についても年間2420人と推計している。

 

産経新聞 2025/6/30)

 

 

「TOTTEI」経済効果 年252億円 同志社大と運営会社が共同研究で推計 神戸ウオーターフロントエリア - 産経ニュース

 

 2025年4月に開業した「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸」の滑り出しは順調なようだ。これまで、MISIA、あいみょん、THE YELLOW MONKEY などの国内の人気アーティストのコンサートが行われ、今後もSTING や Mariah Carey など世界的な人気アーティストの来演が予定されている。これらの公演はアリーナの評判を確立させ、今後ますます多くのアーティストが訪れる人気施設になるに違いない。それは同時に、神戸という都市の名声を高めていくことにつながるだろう。

 このアリーナの成功は、単に一施設の成功にとどまらず、神戸という都市の価値を再確認させるものである。それは、なんといっても神戸の交通の便利さである。神戸は関西圏の一角にあって、周辺人口は2000万人に及ぶ。それらの人口を運ぶ大容量・高速の鉄道網(JR、阪急、阪神など)や道路網が発達している。それに加えて、新幹線、神戸空港神戸港など、長距離交通機関が集中する国内有数の交通拠点となっている。これらの交通網を使うことにより、関西、西日本、全国、そして国際化された神戸空港により海外から、短時間に大量の人々を動員することができる。さらに、周辺には、ホテルや飲食店、ショッピング、風光明媚な都市景観などが充実している。こうした基礎的条件の上に、アリーナの成功があると考えられる。

 

 神戸は、京都や奈良のように、都市そのものの観光資源には決して恵まれているとは言えない。したがって、内在する観光資源によって人を集めるのではなく、外部から人や物、文化、芸術を招き、それに対して多くの人々が訪れるような場所を提供する都市を目指すべきと考えられる。つまり、内外に対して「場」を提供し、それが交わる場所、そしてそこから新しい何かが生まれる場所であることが神戸の果たすべき役割であると考える。今回のアリーナは、そうした神戸という都市の性格と極めて親和的であり、神戸のあるべき将来像を具体的に指し示すリーディングプロジェクトであると評価できる。神戸の人々は自信をもって、この道を進むべきであろう。

 

 そこで、これに続くプロジェクトとして、みなとのもり公園に新たなアリーナを建設する構想を提案したい。このたびのジーライオンアリーナは巨大なアリーナではあるが、収容人数は1万人であり、アリーナとしては中規模である。そのため、国際的な超大物アーティストのコンサートを行うのは難しい。みなとのもり公園に建設する新たなアリーナは3万人を収容する、国内でいえば、さいたまスーパーアリーナ級の巨大アリーナを目標とする。

 みなとのもり公園までは三宮のターミナル群から徒歩で10分程度であり、ジーラインアリーナよりも交通の便が優れている。ジーライオンアリーナと競合するのではないかとの意見もあるが、ジーライオンアリーナの1万人級とは、行われるコンサートの規模が全く異なるので、競合するおそれはないと考えられる。コンサートを行うのは、世界的な大物アーティストとなるので、そのアーティストやスタッフが利用する国際的なグレードの高いホテルも必要となるだろう。そうした人々の需要を満たすための高品質なサービスの開発も必要となるだろう。神戸であれば、神戸ビーフや灘の酒、有馬温泉など、素材は十分にあるだろう。

 それらのコンサートが頻繁に行われるようになると、神戸の名も世界に響き渡り、国際的な人的移動が容易な現代においては、世界中から大勢の観光客が神戸を訪れるようになるだろう。

 国内を見回してみて、神戸ほど、こうした大型アリーナを設置するのに適した場所は見当たらない。建設に巨額の費用はかかるだろうが、その絵姿の完成度が高ければ、それは公共投資によることなく、民間投資が行われるだろう。世界的なアーティストを招くには、どのような施設、サービスを提供しなければならないのか。ここは大いに知恵を絞るところだ。もし、国内および世界の投資家が神戸の将来像に魅力を感じることができるなら、巨額の投資も夢物語ではないだろう。