兵庫県の斎藤知事の疑惑を告発した文書問題を調査した第三者委員会が公益通報にあたるとした結論について、伊東良孝消費者担当相が国会答弁で「一定納得をしなければならないと思う」と述べたことについて、斎藤知事は23日の定例会見で、「大臣の指摘は重く受け止める」とする一方、「対応はこれまで述べさせていただいた通り」として、従来の見解を踏襲しました。
(読売テレビ 2025/04/23)
斉藤兵庫県知事に対する内部告発問題について、兵庫県議会の百条委員会および兵庫県の第三者委員会が相次いで、斉藤知事が行った一連の対応は「違法」との判断を示した。この問題は現在、国会においても取り上げられており、公益通報者保護法を所轄する伊東良孝消費者担当相が4月17日、衆院消費者問題特別委員会において「(斉藤知事は)一定の納得をしなければならない」と述べ、報告書の内容を政府として肯定する考えを示した。
23日の定例記者会見では、こうした動きに対する斉藤知事の見解を問う質問が集中した。斉藤知事は、「大臣の指摘は重く受け止める」とする一方、「対応はこれまで述べさせていただいた通り」として、従来の見解を踏襲した。記者から、所轄大臣による「有権解釈」であることを指摘して重ねて考えを問うたが、斉藤知事は「兵庫県のことは兵庫県が個別具体的に判断する」と言い放った。
「有権解釈」
権限のある機関によって行われる法の解釈。拘束力をもつ。公権的解釈。
斉藤知事のこのあまりにも無法な発言に対して、ある記者が発した「いつから兵庫県は斉藤人民共和国になったのか」という遣り取りがネット上で大きな話題となり、「斉藤人民共和国」という言葉がトレンドワード入りした。
「斉藤人民共和国」、日本国にありながら、唯一、日本国の法律が適用されず、違法性を指摘されても修正される見込みもない。それどころか、違法の是正の声を上げる者には、どこからともなく無数の誹謗中傷が大量に送りつけられ、その者の個人情報がさらされ、いやがらせ、脅迫を受ける。対策を求めても、知事は「SNSによる誹謗中傷はよくない」と人ごとのような発言を繰り返して一向に取り合おうとしない。実に恐ろしい限りである。
この問題が、斉藤元彦氏という特定個人のキャラクターの問題というのであれば、問題は単純であったであろう。問題は、この人物を支持する一定の社会的な勢力が存在していることである。
それは、地方議会の関係者であったり、特定の政治団体を支援する人々であったり、そうした人々が一定数いることは仕方がないことであるが、それにとどまらず、一定の社会的影響力を持つ著名人であったり、マスコミ、特に在阪メディアの関係者の中に、斉藤元彦氏を支援する人々が少なからず存在していると思われることがこの問題を根深くしている。
これらの勢力の支援がなければ、昨年の議会の不信任案、失職、出直し選挙によって、斉藤元彦氏は兵庫県知事の座を降り、兵庫県政は正常化されていただろう。ところが、この兵庫県政の正常化を図ろうとする動きに対して、ネットを中心に斉藤元彦氏の再選を後押しする真偽不明の情報が大量に頒布され、世論が歪められてしまった。こうしたネットの世論形成を行ったのは、斉藤元彦氏の周辺の支援者だけだったのだろうか。昨年の知事選挙の時のように、どうして、兵庫県とは何もゆかりもないように思われる全国的な著名人が突然、兵庫県知事選挙に関心を持つに至り、斉藤元彦氏を兵庫県知事の座に押し戻そうとしたのだろうか。さらに解せないのは、なぜ、選挙の直前にマスコミ各局に単独出演をし続けることが可能となったのだろうか。なぜ、斉藤元彦氏を支援するという市民や高齢者、高校生などが斉藤元彦氏に直接応援する姿が不自然にマスコミに捉えられ、その情景が繰り返し報じられるようになったのか。そこには、なんらかの一定の斉藤元彦氏を組織的に支持する勢力の存在が強く推測される。
そして、その支援は現在も続いており、斉藤元彦氏の無法状態を報じる一般の報道とは別に、斉藤元彦氏を兵庫県知事の座に押しとどめようとするネットやマスコミの動きが確実に存在している。
たとえば次のようなテレビ番組である。
兵庫県民100人に聞いた『斎藤知事“続投”?“辞任”?』続投すべきが2/3超え 報告受け緊急調査
(3月)26日会見を開き、初めてパワハラを認め謝罪した斎藤知事は、27日も会見を開いています。
26日の会見では、自身の進退や処分については、改めて知事の職を続投する意志を示したうえで「県政を前に進める」と言い切っています。
斎藤知事は知事の職を続投すべきか、辞任すべきか。
兵庫県民はどう思っているのか、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」は、第三者委員会の調査報告を受け、兵庫県民100人の意見を緊急調査しました。
■斎藤知事の進退について兵庫県に住む10代から80代の100人を調査
斎藤知事の進退についてどう思うか、意見を聞いたのは兵庫県に住む10代から80代の100人。(※25日15時~19時の間、神戸・元町で番組が県民にインタビューをしました)【60代(辞任派)】「私は辞任すべきだと思います。あまりにも色んな問題がありすぎて、このまま兵庫県を任せてもいいものかとすごく疑問に思う。人の命が亡くなっているのは、何かあるから、亡くなっているんですね。なので、そこに大きな不信がある」
【70代(辞任派)】「嘘八百なんて言っておいて、第三者委員会できっちり事実だと言われている。そういうところは、きちんと、自分で謝らないとね。上に立つ人のコメントではないわ」
【20代男性(続投派)】「続投するべきだと思います。色んなところから情報を取っているけど、パワハラがあったのがまだ信じられない。市民のことを思ってのことではなく、自分たちの利益を優先している人たちが、反斎藤派には多いと思う」
【80代女性(続投派)】「続投すべきです。また変わったらややこしいから。せっかく選ばれたのならもうちょっとやって欲しい」
兵庫県立大学の卒業生からはこんな声も。
【20代(続投派)】「続投すべきで、僕らの世代からしたら、若者への支援が充実していると感じる。自分らが直で受けた授業料の無償化が大きかったので、特に辞任っていう意見はない」
■結果は「続投すべき」が68人、「辞任すべき」が32人
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では兵庫県民100人に斎藤知事が続投するべきか、辞任するべきか聞きました。結果は「続投すべき」が68人、「辞任すべき」が32人となり、斎藤知事の実績を評価する声も多数聞かれました。
知事自身も続投する意志を示していて、今後も知事や県議会の動きが注目されます。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年3月27日放送)
なぜ、第三者委員会の報告書に対して斉藤知事が公式に見解を述べた3月26日に間髪入れずに、このように、斉藤知事を支援する世論が多数派であることを示す、正確性も客観性も不十分なアンケート結果を報じる必要があるのか。
兵庫県民の多くの人々が兵庫県の無法状態に恐怖を覚えている。なんとか、こうした状態を脱したいと考えている。ところが、兵庫県にゆかりのない人々が、ネットやテレビでこれを押しとどめようとする。
これらの動きは、何も背景が存在しない、自然発生的なものとは思えない。
ところで、これらの勢力が狙うのは兵庫県だけなのだろうか。今年の10月に神戸市長選挙が予定されている。神戸市民は警戒を怠ってはならない。