神戸市は23日、現在建設中の第1期のバスターミナルビルに入居する新たな神戸文化ホールと三宮図書館のイメージ図を公開した。(略)
神戸市の久元喜造市長が23日の定例記者会見で発表した。神戸市中央区・大倉山にある現在の神戸文化ホールについての質問には「最終的には大倉山のホールと、三宮の新しい文化ホールが併存することはない」という。大ホールの機能は新たなホールに集約し、現在の神戸文化ホールの立地は別の用途に利用する考えだ。ただ現在の文化ホールの建物をいつまで活用するのか、一時的に併存することはありうるのかなど詳細については「まず庁内で検討する」と述べるにとどめた。
(神戸経済ニュース 2024/5/23)
5月23日、神戸市長の定例記者会見の中で、新しい神戸文化ホールについての説明があり、大倉山にある現在の神戸文化ホールの今後について質問があった。久元市長は、最終的に新旧の文化ホールが併存することはないと、現在の神戸文化ホールは廃止し、その用地は別の用途に利用する考えを示した。
その方針自体には異論はない。跡地はどのように利用すればよいだろうか。
一つの案として、その跡地に、現在、元町駅の北側、下山手通にある兵庫県庁を移転してはどうだろうか。
文化ホールの跡地に加えて、こちらもかなり古くなった中央体育館の敷地も合わせると、かなり広い面積となる。さらに、その周囲には大倉山公園など、開発余地が十分あると思われる。
現在の兵庫県庁舎は、耐震基準を満たしていないことから建替えが必要とされており、1~3号館のうち、1号館、2号館は2026年度にも解体される予定となっている。先代の井戸兵庫県知事は兵庫県庁の再整備計画を推進しようとしたが、現在の斉藤知事になって計画はご破算になってしまった。「災い転じて」、計画を一新し、兵庫県庁舎を大倉山に移転させてはどうだろうか。このような状況は、ある意味、千載一遇のチャンスだとも言える。
これを考えた理由は次のとおりである。
(1)現在の県庁舎はJR元町駅の北側にあって、駅からそれほどの距離はないが、やや勾配のきつい坂道を上った先にあり、あまり足を運びやすい場所とは言えない。一方、神戸駅周辺は坂道が多い神戸の中では比較的平坦な地形であり、往来もしやすい。近くには神戸地方裁判所や神戸地方検察庁などの諸官庁が集積している。その他、神戸大学医学部、神戸市立中央図書館などもあり、環境的に申し分ない。さらに、神戸の人々に親しまれている湊川神社のちょうど隣接地にあたるので、神戸のシンボルゾーンという点でも申し分のない立地である。
(2)現在のJR元町駅は、かつての三ノ宮駅があった場所で、三ノ宮駅が現在地に移転した際に元町駅として設置されたものである。そうした歴史的経緯もあって、新快速電車が停車するJR神戸駅やJR三ノ宮駅という基幹駅に対して、新快速電車が通過する利便性にやや劣る駅である。県庁の最寄りの駅が通過駅というのは、少し残念な気がする。一方、大倉山の方は、JR神戸駅が最寄り駅となる。神戸駅は1874年(明治7年)の大阪=神戸間の鉄道開通時に設置された伝統ある兵庫県を代表する基幹駅であり、新快速電車が停車する。さらに、JR神戸駅のすぐ北側には阪急、阪神、山陽電車が乗り入れる高速神戸駅がある。その先には市営地下鉄大倉山駅がある。JR神戸駅の南側には市営地下鉄海岸線のハーバーランド駅がある。現状ではこれらの駅は微妙に相互に距離があり、神戸駅周辺が拠点性を持てない理由の一つとなっていると思われる。この機会にJR神戸駅、高速神戸駅、大倉山駅までつなぐ地下道を整備すれば、周辺の利便性が格段に上がるだろう。
(3)県庁の所在地はこれまでも変遷を重ねている。初代は兵庫の中之島にあり、その姿は兵庫津ミュージアムに復元がされている。その後、現在の中央区橘通、現在の神戸地方裁判所のある場所に移り、1873年(明治6年)に下山手通に移転し、同地で建設されたのが現在の兵庫県公館で、これが4代目の庁舎である。そして、現在の県庁は、5代目の庁舎となる。大倉山であれば、かつて庁舎を置いていた神戸地方裁判所の場所とも近く、歴史的にもゆかりがある場所である。
(4)大倉山駅は市営地下鉄で、現在の県庁舎のあるエリアとも結ばれており、既存の県庁周辺施設との連携にもすぐれている。さらに、新幹線新神戸駅とも結ばれており、広域交通の面でも非常に便利である。
(5)現在、神戸市が、三ノ宮駅を中心に神戸都心の再開発を行っているが、おそらくは、神戸の都心の中心は三ノ宮駅の東側にシフトしていくことになるだろう。神戸の都心の均衡ある発展のためには、神戸駅の拠点性を高める取り組みは必ず必要だろう。そのための中核プロジェクトとして兵庫県庁を大倉山に移転させてはどうだろうか。
(6)北側にある大倉山公園には、かつて、初代兵庫県知事、伊藤博文の銅像があり、現在はその台座だけが残されている。この銅像も併せて復原してはどうだろう。
(7)兵庫県庁の交通利便性のよい大倉山への移転は、県庁への交通利便性を大いに高め、一般市民のアクセス性を高め、ひいては兵庫県庁の存在感を高めることに寄与すると考える。
では、大倉山への移転後、現在の兵庫県庁の跡地はどうすればよいだろうか。
現在の兵庫県庁の跡地は、中心地の三宮ともほど近く、メリケンパークを臨む場所にあるので、高級ホテルや文化施設、兵庫県の特産品の展示販売施設、真珠博物館等の観光施設を設置してはどうだろうか。
