久元神戸市長、3選立候補への動き

 任期満了に伴う神戸市長選(10月0日告示、同24日投開票)で、市内の70以上の各種団体が近く、現職の久元喜造氏(67)に対し、3選に向けて立候補を要請することが26日、分かった。来月1日以降、団体の代表者らが申し入れ、久元氏が立候補要請書を受け取る見込み。久元氏は現時点で去就を明らかにしていないが、市会の自民、立民、公明、国民などの会派も支援する構えを見せている。

(2021/5/27 神戸新聞

 

 今年10月に任期満了を迎える神戸市長選において、市内の70以上の団体が現職の久元喜造氏に対して3選出馬を要請すると27日、神戸新聞が報じた。前回2017年は最終的に146団体の要請があったようだ。現時点で他に立候補表明者はいないが、共産党系の候補者擁立のほか、7月の県知事選で候補者を推薦予定の日本維新の会の動向が注目される。

 現職の久元市長は、1期目から公約に掲げた都心の活性化について未だに有効な政策を打ち出せていない。特にJR西日本の新三ノ宮駅ビル計画が白紙になるなど、就任から8年になるこの期にいたって、計画すら立っていないという誰もが予想だにしなかった状態が生じており、この点についていえば、とても合格点というわけにはいかないだろう。しかし、昨年(2020年)からのコロナウイルス禍のため、日本全体、世界全体が大混乱に陥り、人々の目がコロナ問題に注がれているため、これが第一の争点になることは考えにくい。候補者擁立があるかもしれない維新の会についても、このたびのコロナウイルス禍で、これまでの公的部門をスケープゴートにする手法の問題点が広く認識されるようになっており、神戸市民の全面的な支持を集めにくいだろう。

 結果としては、久元市政については、批判は少なくないと思われるが、現在の状況は基本的な行政を地道にこなす能吏のイメージの久元市長の再選に有利に働くと思われる。