新型肺炎の流行について(45)

 アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、新型コロナウイルスの発生について改めて調査するよう情報当局に指示した。(略)

 バイデン氏はこの日発表した声明で、情報当局に対し、これまでの「倍の努力をして」90日以内に報告するよう求めた。

(2021/5/27 BBC NEWS JAPAN)

  バイデン大統領は就任後、新型ウイルスの起源について、「人間が感染動物と接触したからなのか、それとも研究施設の事故によって出現したのか」という点について報告書の提出を指示していたが、その報告書が今月提出され、それを受けて「追加報告」を指示したとのことだ。

 声明によると、「今日をもって、アメリカの情報当局は結束し、可能性は高いが明確な結論が出ていない2つのシナリオについて調べる」として、「倍の努力をして情報を収集、分析し、決定的な結論に近づき」、90日以内に報告するよう関係機関に求めたとのことだ。

 

 これに対して中国が反発している。

 アメリカのバイデン大統領が、新型コロナウイルスの発生源の再調査を情報機関に指示したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、27日の記者会見で「WHO=世界保健機関の調査チームが、研究所からの流出の可能性は極めて低いとする報告書を公表していて、これが権威ある科学的な結論だ。アメリカは、事実を意に介さず、中国に汚名を着せ、責任をなすりつけている」と述べ、非難しました。

(2021/5/27 NHK NEWS WEB)

 

 バイデン大統領の声明は、「倍の努力」、「決定的な結論に近づき」、「90日以内に報告」と、かなり強い姿勢であることが伺われる。WHOは先に「研究所からの流出の可能性は極めて低い」との報告書を公表しているから、事を穏便に済ませようと考えるなら、あえて再調査をする必要はないはずだ。今回、再調査を行うということは、WHOの結論に納得していない、むしろ既にそれとは異なる結論の心証を掴んでいるのではないかと思える。今後、決定的な結論が得られた場合、その結論の内容によっては、重大な事態が生じることも予想される。中国の反発も、その結論を予想するかのようだ。今後の事態の推移が注目される。

 

 また、新型コロナウイルスの変異株についての情報も報道されている。

 ベトナムのロン保健相は29日、インド型の新型コロナウイルスの変異株に、英国型に含まれていた変異が加わった新たな変異株が確認されたと明らかにした。現地オンラインメディアのVNエクスプレスが伝えた。

 新種の変異株は複数の感染者の遺伝子解析から見つかった。ロン保健相は新たな変異株について、「これまでの変異株よりも空気中での感染力がはるかに強い」と説明している。

(2021/5/29 朝日新聞

 

 新型コロナウイルスは本当にやっかいな性質だ。人類は、これを克服することができるのだろうか。まさに、人類とウイルスの戦争だ。