新型コロナウイルス禍の下での関西3空港の状況(5)

 関西エアポートが11月の関西3空港の運航状況を発表した。

 

 

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          旅客数   国内線発着回数

 伊丹空港     △38%   △22%

 関西空港     △48%   △32%

 神戸空港     △38%   △12%

 

 

 国内線について、伊丹空港神戸空港が旅客数でともに△38%であるのに対して、関西空港は△48%と回復が遅れている。発着回数を見ても、伊丹空港△22%、神戸空港△12%に対して、関西空港は△32%と回復が遅れている。これは、一つには関西空港の主力である国際線が前年比△99%が続いており、国内線についてだけでいうと、都心に近接する伊丹空港神戸空港の方が便利であり、加えて大手航空会社の路線の集約の方針が関西空港に対して不利に働いていると考えられる。こうした傾向は当分続くだろう。

 下のグラフは3空港の毎月の旅客数の比率を表したものである。

 

  (旅客数の比率  伊丹空港関西空港関西空港神戸空港

 

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 このグラフを見ると、伊丹空港関西空港の比率(オレンジ色)は1月の2.33から3.10に上がっており、これは伊丹空港関西空港に対する優位が強まっていることを表している。また、関西空港神戸空港の比率(青色)は1月の1.97から1.58に低下している。これは、関西空港神戸空港に対する優位が弱まっていることを表している。この結果は、関西空港の回復が伊丹空港神戸空港に対して相対的に遅れているという上記の観察と一致する。

 

 全般的にはかなり旅客数が回復してきており、神戸空港でもスカイマークが12月に全便復元の話もあったが、新型コロナウイルスの感染再拡大により航空需要の抑制が再び働くと思われ、完全な回復にはまだまだ時間がかかると考えられる。