JR西日本が2021年3月期の業績予想を発表

 JR西日本は16日、令和3年3月期の連結業績予想を発表し、最終損益が2400億円の赤字(前期は893億円の黒字)になる見通しを示した。赤字幅は昭和62年の民営化後で最大となる。新型コロナウイルスの影響で鉄道利用が大幅に落ち込んでおり、年度末時点での回復は通常の6~7割程度にとどまるとした。

産経新聞 2020/9/16)

 

  JR西日本が2021年3月期の業績予想を発表した。売上高は前年比39.0%減で、運輸収入が同49.2%減に落ち込むことが主な原因とのことである。鉄道分野では、山陽新幹線や特急の利用状況は3割程度であり、これが年内いっぱい続き、年度末に6割程度に回復するとしての想定のようだ。

 そうした状況から、同社はコスト削減や設備投資の抑制を進めている。従業員の冬のボーナスの減額も打ち出されるなど、非常に厳しい状況である。

 そうした中で、JR大阪駅西側開発や三ノ宮駅ビル建設などの大型投資について、年内に具体的な見直し内容を示す予定とのことだ。記者会見では「コロナ以前の水準に戻る想定は持ちづらい」という発言があったらしい。

 本欄では、先に、今般の新型コロナ禍が三宮再開発の進展に影響を及ぼすことを予想したが、その可能性はますます強まったように思われる。三ノ宮駅ビルの具体名を挙げて年内に見直し内容を示すとした以上、なんらかの見直しは必至だ。少なくとも建設時期の延期は避けられないだろう。場合によっては、いったん仮設建物の建設ということもあるかもしれない。そうなれば、三ノ宮駅ビルの建設は、かなりの長期間、計画が凍結されることも予想される。これは、三宮再開発を都市発展の最重要課題としていた久元市政にとっては大きな失点だろう。

 久元市長は、三宮再整備を主要な公約の一つとして平成25年11月に神戸市長に選出、就任したが、その中心命題ともいうべきJR三ノ宮駅の建て替えについては、就任からほぼ7年が経つ現在においても未だ計画すら発表されていない状況で、進捗の遅さが様々な方面から指摘されていた。この間、「都心の未来の姿検討委員会」や「三宮構想会議」などの検討会議を重ね、平成27年9月に「神戸の都心の未来の姿[将来ビジョン]」、三宮周辺地区の「再整備基本構想」が策定されたが、ここまでで約2年を費やしてしまった。そこからようやく旧三ノ宮駅がほぼ解体を終えた状況が現在である。今回は、新型コロナウイルス禍を受けての状況の激変とはいうものの、そもそも、今年は本来東京オリンピック開催の年であり、ここで我が国の経済の流れが一つのピークを迎え、オリンピック後には経済情勢が変化するだろうことは、これまでも指摘がされていたことであった。こうした計画は経済情勢に大きく左右されるため、新三ノ宮駅ビルのスムーズな実現のためには、これに照準を合わせて計画を進めるべきであったであろう。やはり神戸市は時間をかけすぎたのだ。

 

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