成田空港が滑走路の延伸、新設へ

 国土交通省は31日、成田空港の路線受け入れの拡大に向け、滑走路の延伸や3本目の新設を盛り込み成田国際空港会社(NAA)が提出していた施設変更申請を許可した。同社は今後、整備に着手し2028年度末までの完成を目指す。同空港の機能強化計画が実現に向けて動き出す。

日本経済新聞 2020/1/31)

 

 計画では、現在A、Bの2本ある滑走路のうち、B滑走路を現在の2500メートルから3500メートルに延ばすほか、同規模のC滑走路を新設し、成田空港の年間発着回数は、現行の30万回から50万回に増えるという。

 首都圏では、羽田空港でも、新ルート導入により年間発着回数を約50万回とする計画であり、羽田、成田の両空港で100万回体制となる。

 一方、関西の現状は、関西空港が23万回、伊丹空港が13.5万回、神戸空港が2.9万回で合計39.4万回となる。関西空港が23万回を30万回と7万回に増やす計画があるが、それでも46.4万回で、東京の半分にも達しない。大阪は東京に対して強い対抗心を持っているが、圏域全体を見れば、空港の能力一つを見ても半分にもいたらず、東京に比べようもない。

 このような状況でも、神戸空港の運用を制限し続けるのだろうか。重要なのは圏域全体の発展を図ることである。圏域を構成する府県のそれぞれが持てる能力を十分に発揮し、バランスよく発展することにより、圏域全体の発展が実現できる。府県単体での発展を求めると結果的に発展が阻害される。兵庫県は、中国四国地方の扇の要の位置にあたり、関西以西の需要の取り込みについて強みを持つ。それは古くから兵庫県が果たしてきた役割だ。その役割を人為的に抑制しようとすることは、結果的に関西圏全体の凋落を招くことになる。他を押さえ込んで、自分だけの発展を目指す考えは、圏域全体の発展につながらない。府県単体の発展から、関西圏全体の発展へ考えを改めるべきだ。

 

 

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