須磨海浜水族園再整備 計画詳細

 先日、須磨海浜水族園再整備の事業者が決定したが、12月3日、計画の詳細が公表された。

神戸市:須磨海浜水族園・海浜公園の再整備

 

公募設置等計画の認定について

(令和元年12⽉3⽇公開、12⽉26日更新)

 優先交渉権者の公募設置等計画を以下のとおり認定しました。認定公募設置等計画の概要を公表します。

1.認定計画提出者
 グループ名:神⼾須磨Parks + Resorts共同事業体
 代表構成団体 :株式会社サンケイビル
 構成団体 :三菱倉庫株式会社、JR ⻄⽇本不動産開発株式会社、株式会社⽵中⼯務店、芙蓉総合リース株式会社、阪神電気鉄道株式会社、株式会社グランビスタホテル&リゾート

 

2.認定をした⽇
 令和元年12⽉3⽇

 

3.認定の有効期間
 公募対象公園施設の設置許可⽇から20年間

 

 このたびの神戸市が行う須磨海浜水族園の再整備は、水族園だけではなく、その周囲の海浜公園も含めた、「須磨海浜水族園海浜公園の再整備」となっている。全体の構成としては、公園、にぎわい施設、水族館、駐車場、宿泊施設の5つの部分から成る。エリアコンセプトは「コミュニティと観光客が交流する、「つながる」海浜リゾートパーク」である。つまり、単なる観光施設として計画されたわけではなく、周囲の住民の利用との調和を考えた計画となっている。

 西から、コミュニティ広場、松の杜エリア、松の杜ヴィレッジ(にぎわい施設)、パークコンシェルジュ棟、神戸須磨シーワールド(水族園)、神戸須磨パークス&リゾーツホテル(宿泊施設)、駐車場が並び、その南側には白砂青松プロムナードが配置されている。

 コミュニティ広場は、3000㎡の多目的広場で、幼稚園の運動会から地域のスポーツ大会まで幅広い利用を想定しているようだ。

 松の杜エリアは、旧住友家の須磨別館の跡地にあたり、極力現状の松林を保存し、地域の住民が多様な過ごし方ができる空間にするとのことだ。

 松の杜ヴィレッジは、公園の利便性・快適性を高める、知育・文化・アウトドア施設を分散配置するとしている。

 パークコンシェルジュ棟は、公園事務所の他、地域住民の活動の場や周辺の観光施設の案内所などになるようだ。

 神戸須磨シーワールド(水族館は、西から、魚類・アシカ・ペンギン棟、イルカ棟、シャチ棟の3棟からなり、イルカ棟とシャチ棟の間には海の見える丘広場が設置される。この広場は、将来のベルーガ(白イルカ)シアターのリザーブ用地ともなっているようだ。

 神戸須磨パークス&リゾーツホテル(宿泊施設)は、既存の須磨ヨットハーバーとの連携も考慮し、海への眺望を活かした、海と一体化した上質なホテルとのことだ。

 

 水族館は有料施設であるが、それ以外は基本的に無料エリアである。コンシェルジュ棟には、須磨歴史ギャラリー、須磨ホール(多目的スタジオ)が設置され、その周囲には2000㎡の芝生広場が配置されることになっている。

 ここで特筆すべきは、パークコンシェルジュ棟には「須磨コレクション」として、既存の須磨水族園の魚類の一部(ピラルクチョウザメ、ガーなど)を無料で公開する施設が計画されていることだ。

 水族館は、「つながるエデュテインメント水族館を全体コンセプトに、日本有数の水族館を目指すとのことだ。つまり、単なるレジャー施設ではなく、教育、保全、調査・研究も目的としたものだ。

 また、生物の福祉の尊重を重視し、適切な飼育環境を実現するとあり、たとえば、イルカについては、1頭あたりの水量は2倍に拡がるとのことだ。さらに、日本初の「神戸保全繁殖センター」を設置し、イルカ類の調査研究・繁殖を目指すとある。

 ここではすべてを説明しきれないが、関心のある方は、ぜひ自身で、計画書を見ることをおすすめする。 

 

 今回の計画について、水族園の入園料が著しく上がることに対する批判が一部にある。しかし、市内小中学生については、年1回、500円で入園が可能とする措置をとるとのことであり、さらに、年1回、神戸市民特別優待DAYとして、開港記念日の12月7日に、神戸市民を1000円の優待料金で利用できるようにするなどの措置も計画されているようだ。しかし、何よりも、これだけの内容を考えたときに、入園料が高すぎるということは言えないだろう。

 

 以上、見たように、今回の計画は、「日本有数の水族館」を目指し、単に娯楽だけではなく、教育、保全、調査・研究の機能も有し、飼育動物の福祉に配慮し、繁殖にも取り組むものである。もし計画通り実現すれば、神戸市民の誇るべき施設になることは間違いないように思う。一部に、「金目当て」との批判をしている人々がいるが、決してそのようなことはなく、内容を詳しく見れば、事業者側の生き物に対する思いや新水族館に対する熱意が伝わるようだ。そして、新水族館は周囲の住民にとっても大きな財産となるはずだ。神戸市、事業者、市民が力を合わせてこのようにすばらしい計画が是非とも実現をするようにしたいものだ。