兵庫県知事が2万人収容アリーナ検討を表明(2)

 12月23日に開かれた兵庫県知事会見の議事録が公開されており、記者とのやりとりの詳細を確認することができる。

兵庫県/知事定例記者会見(2019年12月23日(月曜日))

 

記者:

 新年の抱負について、検討中だと思われますが、新年度予算に関係するということで、リーディングプロジェクトの検討の中に大規模アリーナの検討という内容が入っています。現時点でどのぐらいの規模か、例えば収容人数はどのくらいをお考えかということと、このタイミングでそのような検討をされる意図を教えてください。

 

知事:

 まだ具体的な詳細が決まっているわけではありません。ともあれ、大きなアリーナがないと、世界大会等も誘致できません。興行的に言うと2万人以上ぐらいの観客が入れないと成り立たないとも言われているようです。(中略)国際大会を誘致できるような拠点施設を兵庫に1つ持つ必要があるのではないかということを、関係者が非常に強く熱望されているところです。
 それでは、どこが適地で、どれくらいの規模が良いかという検討を始めるという意味で、リーディングプロジェクトという、これから10年の間に考えられるプロジェクトに挙げさせていただいたということです。何しろ5haぐらいの土地がいります。しかも、交通の便がよくないといけません。アクセス手段では、例えばバスですと、2万人をオーバーするような人達を運ぼうとすると、大混乱を起こしてしまうこともあります。適地がどこにあるかということも含めて、これから探していかなければいけません。しかし、やはりアリーナの必要性ということを掲げて検討していかないといけないという思いで、リーディングプロジェクトに挙げさせていただこうとしています。検討費用ぐらいを来年度予算にあげるのかもしれません。

 

記者: 

 一説ですと、先ほどの交通の便も含めて、明石公園というのも一つ候補地に挙がっていると聞くのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

知事:

 一つの候補地だと思います。ただ明石公園の史跡のエリアですと、史跡との調整がでてきます。文化財調査等が前提になりますし、現実に造れるかどうか保証がありませんので、明石公園の中でもし整備をするとすれば、史跡エリア以外のところにできないかというような検討が最初に行われるのではないかと思っています三木防災公園の中も一つの候補ですが、アクセスが少し弱いという問題があります。それから、例えば、尼崎21世紀の森はどうかと考えると、大阪が吹田の万博跡地にアリーナを造ろうというような動きがありますので、少し近すぎるかというようなこともあります。そのあたりも含めて、来年度検討を始めてもらおうかと考えています。

 

記者: 

 明石公園でいくならば、自転車競技場と県立図書館のあたりを再整備すればという話もあるようですが、いかがでしょうか。

 

知事:

 県立図書館は耐震化工事を実施したばかりですから、なかなか移転や取り壊しとは言いにくいのではないかと思います。自転車競技場とテニスコートを対象に考えてみるとはまるかもしれません。このあたりも、具体的に自転車競技場をどこへ持っていくのかというようなことも議論になりますので、まだ十分な検討が進んでいない状況です。候補の一つではあると言えようかと思います。ですから、しっかり実現可能性も含めて吟味しておくことが必要ということだと思っています。

 

記者: 

 アリーナの話について追加で伺います。横浜の方でチケットぴあなどを運営しているぴあがアリーナを建設していて、4月にできますし、大阪の万博跡地のアリーナも誘致するという話になっていたと思います。実際にアリーナの整備というのは、自前で整備するのか、それとも誘致するのか、また神戸ワールド記念ホールのときのように、他の寄付をもらったりしながら、自分達で造るなど、いろいろな形があると思いますが、どういう形でお考えでしょうか。

 

知事:

 奇特な方が出てくれれば、ウェルカムですが、今の本県における状況だとなかなか難しいのではないかというふうに思っています。県が主体となって整備をしていくのでしょうが、ただ、運営管理の問題があります。尼崎のプールでは、プールの運営にPFIを導入したことにより、5分の1の経費節減が図れました。そのような運営管理を睨んだような形で、PFIを併用するというようなことも、一つの考え方としてあり得ますので、これも検討会で、よく検討してもらったらいいのではないかと思います。ぴあみたいなところが出てくればいいのですけど。

 

記者: 

 今回、1万人規模のホールを自ら造るようです。

 

知事:

 1万人では小さいです。横浜はもう1万7000人ぐらいのアリーナがありますので、それで1万人規模でもそれなりの意味があると思うのですが、兵庫の場合は、基本的にアリーナというのは、神戸市総合運動公園の横にある神戸市のアリーナとワールド記念ホールですので、いずれも5000人から6000人。もっと詰め込んでも8000人ぐらいですので、それではなかなか国際競技大会は、呼びにくいという実情があります。ですから、2万人以上の規模が良いのではないかと思っています

 

記者:

 実際に造るとなった場合は、そこに向けてのアクセスというのも、国際イベントなどをする上では、重要になってくると思うのですが、それこそ神戸空港の国際化をより進めていくということも重要になってくるでしょうか。

 

知事:

 直接には、神戸空港の国際化がないとできないという話ではありませんが、周辺環境整備の一つの大きな要素にはなると思います