FDAが神戸空港で運行開始

 10月27日、フジドリームエアラインズ(FDA)が、神戸空港で初の定期路線となる出雲便、松本便の運航を開始した。神戸空港では、FDAの三輪社長のほか、久元神戸市長、神戸商工会議所の家次会頭、尾山副会頭も出席し、テープカットなどの新規就航記念式典が行われ、FDAおよび地元の期待の高さのほどが伺われた。

 記念式典後、記者団の取材で、三輪社長は、神戸空港について、第三の拠点として拡充をしていきたいと述べた。神戸空港から今後就航する路線として、日本海側や東北路線が考えられると述べた。同社は、すでに、名古屋空港から青森、花巻、山形、新潟に定期便を就航させており、これらの都市を念頭に置いているようだ。

 

(関西3空港の就航路線 2019/10/27作成)

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 神戸ー松本線の予約は大変好調で、10月、11月の予約率は25日現在で80%を超えているという(信州松本新聞2019/10/26)。

 FDAが今後、就航路線を拡充していけば、就航都市数においても、他の2空港とも遜色なく、関西圏の第3空港としての神戸空港の存在感が高まってくるに違いない。

 

 一方、この日、久元市長も記者団の取材に、神戸空港の交通アクセスについて「年内にバスを増便するめどを付けたい」と述べ、8時台の混雑解消にめどとつけたいとした。また、中長期的には「神戸空港新神戸駅を結ぶ新しいアクセスが必要になるので、国土交通省など国とも協議して新たなアクセスの手法を検討したい」と、ポートアイランド新神戸を結ぶ道路の拡幅などを念頭に述べたそうだ。(2019/10/27神戸経済ニュース)

 

 久元市長の発言は、予想どおりの内容である。

 ポートライナー三宮駅の乗客数を見ると、平成19年度から平成29年度の10年間で42%増の396万人も乗客が増加し、年平均39万人のペースで増加を続けており、今後も神戸空港の増便やポートアイランド2期の企業の定着により乗客数の増大が見込まれることを考えると、バス輸送で間に合うのだろうか。ポートライナーは平日だけでなく、休日にポートアイランド内でイベントがある時にも、かなりの混雑が生じているようだ。交通機関はピーク時の需要を基本に容量を考えるべきだ。閑散の時間帯に空きがあるからといって、まだまだ余裕があるというのは適当ではない。ツイッターでは混雑に対する悲鳴が連日飛び交っている。

 これらを抜本的に改善することは、ポートアイランド神戸空港のさらなる発展のために是非とも必要なことである。

 また、神戸空港新神戸駅を結ぶ交通機関を設けることは非常に重要であると考えるが、両者をバスで直接結ぶだけでは果たして需要はあるのだろうか。

 

 問題が生じる都度の穴埋め的な発想ではなく、神戸空港ポートアイランド新神戸をどのように活用していくのか、もっと大局的な見地で、なにわ筋線の建設等の関西国際空港のアクセス改善の計画が急激に進み出した隣接の大阪の動きも踏まえて、神戸市のグランドデザインを提示してほしいものだ。