昼間人口に見る都市の姿(3)

(国内主要都市の昼間人口の推移)

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 今回は、旧5大都市以外の北九州市、札幌市、福岡市、広島市の4都市と神戸市の昼間人口の比較である。

 

 まず、札幌市は、1980年(昭和55年)に初めて神戸市を上回っている。その後も拡大を続け、2015年(平成27年)には200万人に達する勢いである。

 次に、福岡市は、札幌市よりは緩やかであるが、やはり急拡大を続け、1995年の阪神淡路大震災で急減した神戸市にほぼ、追いつき、2005年(平成17年)に、はじめて神戸市を上回ることになった。人口で福岡市が神戸市を上回るのは2015年であるが、昼間人口では、その10年前にすでに神戸市を上回っていたことになる。昼間人口こそが、真の都市の実力を示すものと考えると、人口で福岡市が神戸市を上回ることになったことは、いずれ迎える当然の結果であり、驚くには値しない。2015年時点で、昼間人口がこれほどの大差が開いてしまっていることを考えると、人口の面でも、神戸市とはますます大きな開きが生じてくるだろう。福岡市の場合は、一つの転機は1975年の山陽新幹線の全線開通により、東海道・山陽新幹線の西のターミナルとなったことであり、それによって九州の玄関都市となったことであろう。また、2011年には九州新幹線も全線開通し、九州の首都の座を不動のものとしている。

 一方、北九州市は、60年代、70年代の高成長時代においても、横ばい状態が続き、1985年からは減少が続いている。最盛期には100万人を超えていたが、現在は100万人を割り込んでいる。福岡市との関係でいうと、1975年にはじめて昼間人口で抜かれることになり、人口でも1980年に逆転を許すことになる。北九州市は、産業構造の問題があり、停滞と縮小を余儀なくされてきたという特殊事情がある。

 最後は、広島市である。広島市は1971年から1975年にかけて13か町村と合併したことで、1975年に急拡大している。1985年には五日市町を合併し、人口、昼間人口とも100万人を超えることとなった。その後も緩やかに成長し、2015年には120万人を超える状況である。