昼間人口に見る都市の姿(2)

(旧5大都市の昼間人口の推移)

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 大阪市名古屋市京都市横浜市、神戸市の旧5大都市の昼間人口について、1965年(昭和40年)から2015年(平成27年)の推移をグラフにしてみた。

 まず、大阪市は、この期間を通じて5大都市のトップを維持しているが、5都市の中で唯一、昼間人口が減少している。その減少幅はおよそ1割に達するほどである。大阪市の人口の減少については、郊外の住宅地に人口が流出したにすぎないとの見方もあるが、昼間人口の減少は、大阪市の経済都市としての質の変化を伴っていると理解すべきだろう。60年代から70年代の高成長時代において、急激に昼間人口が減少していることが印象的である。また、80年代に持ち直すものの、90年代以降再び、昼間人口が急減している。関西国際空港が開港したのは1994年であるが、その後、大阪市の昼間人口が急減を続けていたことは非常に興味深い。

 次に、横浜市は、1965年には、昼間人口は167万人であり、京都市や神戸市と比べて、それほどの大差はなかったことになる。その後、60年代、70年代の高成長時代はもとより、その後の期間においても、一貫して急拡大を続け、いまやトップの大阪市に迫るほどになっている。

 京都市については、60年代と70年代の前半には拡大していたが、その後は、ほぼ「停滞」と呼んでよいほど伸びが見られない。

 神戸市は、1965年当時から、5大都市では最小であったが、阪神淡路大震災があった1995年を除き、一貫して拡大を続けてきた。その結果、ほぼ京都市に追いつくところまでに到っている。しかし、2015年には5大都市で唯一、昼間人口が減少している点については注意が必要だ。

 名古屋市については、自動車産業の繁栄の恩恵を受け、この間、急成長をとげていたような印象があるが、昼間人口の伸びは、横浜市のような急拡大ではなく、ほとんど神戸市に近い伸びであることがわかる。