関西3空港活用フォーラム

 10月10日、神戸市内で、兵庫県が主催する、神戸、関西、伊丹の3空港の最大活用について考えるフォーラムが開催された。

 その中で、FDAの三輪社長が講演し、神戸空港について「さらなる路線拡大を通して地域の発展に寄与したい」と述べ、まず、近距離路線から始め、今後、さらに路線を広げたいと抱負を語った。

 続いてパネル討論が行われ、FDA幹部が神戸空港内の設備やポートライナーの輸送力の不足について指摘し、それらが「さらなる発着枠の拡大の足かせになるのでは」との指摘があったとのことだ。

 その他、関西経済連合会の幹部から、GDPに占める関西のシェア低下を示し、航空需要を取りこぼさず、関西の発展につなげることが大切と指摘し、神戸空港の運用時間の延長の重要性を訴える意見があったとのことだ。

 

 関西圏では、3空港を擁するものの、伊丹空港は騒音問題から、運用時間が7時から21時に制限され、神戸空港規制緩和後においても7時から23時に制限されている。

 要は、関西3空港とはいうものの、3空港であるのは7時から21時までで、21時から23時は2空港、その他は1空港となっている。その21時から23時までの間も、神戸空港の便数制限が厳しく課せられているために十分な運用ができない。つまり、7時から21時のみ3空港であり、21時から7時までの間は事実上「関西1空港」状態である。この間は、関西圏の人々はすべて、航空機を利用しようとすると大阪南部の泉州まで移動しないと、利用ができない状態となっている。こうした不便な状況はすみやかに解消すべきで、そのためには、神戸空港の運用時間の拡大と発着枠の規制の撤廃が必要だ。関西圏の南部と北部に、特に国土軸に沿った北部に空港を整備することが、関西圏、ひいては西日本全体にとって重要だ。関西圏のGDPに占める割合は低下し続けている。関西3空港を最大限に活用するべきだ。わざわざ、大阪南部の1空港に絞って、関西圏の航空利用を不便にすることは、関西圏全体の利益を損なうことにしかならない。