ポートライナーの運輸統計を見る(3)

ポートライナーの乗客数の推移) 

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                   (青:総数、黄:三宮駅

 平成19年度(2007年度)から平成29年度(2017年度)までのポートライナーの乗客数の推移をグラフで表してみた。青色は総数で、19,092千人から27,656千人に10年間で1.45倍となっている。黄色は三宮駅で、9,372千人から13,332千人と同じく1.42倍となっている。10年間で、総数が8,564千人、三宮駅で3,960千人増加している。

 グラフを見ると、ほぼ毎年同じ伸び率で、着実に増加していることがわかる。

 今後、同率で乗客数が伸びていくとすると、10年後の2027年度には、総数で40,101千人、三宮駅で18,931千人の需要が発生すると予測される。これは、三宮駅では約5,600千人の増加となる。ここまでくると、市営地下鉄山手線の三宮駅の平成29年度の乗客数 22,340千人に近い数字になってくる。

 

 このような予測は実現するだろうか。

 今後の需要の増加要因として、一つはポートアイランド2期での需要の増加が考えられる。ポートアイランド1期の中公園から北埠頭までの乗客数の合計が 8,891千人に対し、ポートアイランド2期の医療センターと京コンピューター前の乗客数の合計は 3,438千人とポートアイランド1期の4割足らずにすぎない。ポートアイランド2期にはまだまだ空地がある。したがって、ポートアイランド2期の開発が進展すれば、まだまだ乗客数は増えるだろう。また、需要が発生するような施設も積極的に誘致すべきだろう。

 もう一つの需要の増加要因は、今後、規制緩和が進む神戸空港の利用客の増加である。仮に、便数が倍増すれば、それだけで約1,300千人の需要が発生することになる。3倍になれば、2,600千人である。

 以上から考えると、上記予測の実現の可能性は十分あるだろう。

 

 ただし、これはあくまでも可能性なので、この可能性を実現するためには、現行のポートライナーだけでは完全な容量超過となり、実現は困難であろう。つまり、ポートライナーが「ボトルネック」となり、需要の抑制が発生し、乗客数の頭打ちが発生することになるのだ。