ポートライナーの運輸統計を見る(1)

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 昨今、ポートライナーの混雑が指摘されているが、実際はどのようであろうか。神戸市の統計書から、平成19年度から平成29年度までの利用状況を表にまとめてみた。

 平成19年度と平成29年度を比較すると、総数で1.45倍となっており、平均で年率3.7%の伸びである。

 伸び率が大きいのは、南公園の2.11倍、医療センターの3.57倍、京コンピュータ前の2.60倍となっており、新しく開発が進んだエリアの伸び率が高くなっている。逆に、中埠頭0.86倍、北埠頭0.91倍と利用が低迷していることがわかる。

 増分をみると、三宮が年間3,960千人、医療センターが1,963千人と、この二駅で、増分の総数8,564千人の約7割を占めている。したがって、ポートライナーの乗客急増の主たる理由はポートアイランド2期地区の開発によるところが大きいと理解できる。

 つまり、もともとポートアイランド1期のための交通手段であったポートライナーに、ポートアイランド2期の延伸線の需要が被さったため、三宮からポートアイランド1期地区の沿線で負荷がかかり、混雑が発生していると言えよう。

 上記を見れば、ポートライナーの混雑は、実際の乗客数の増加によるものであることが裏付けられる。我が国の経済の低成長が続き、人口減少社会と言う中で、ポートライナーは乗客が急増しており、今後は神戸空港規制緩和に伴い、さらに乗客の増加が予想される。このように、ポートアイランドは神戸の成長センターということができる。