神戸どうぶつ王国が拡張

 神戸・ポートアイランドの人気スポット「神戸どうぶつ王国」が、来夏にも施設規模を3割近く広げることが16日、分かった。経営破綻した前身の施設を刷新して再オープンした2014年以降、入園者は右肩上がりで増え続けている。拡張した敷地を使い、成育環境を再現する展示をさらに充実させ、入園者のニーズに応える。

神戸新聞 2019/9/17)

 

ひょうご経済+|経済|神戸どうぶつ王国、来夏拡張へ 新たにアジアの森

 

 従来、どうぶつ王国の敷地面積は約4.1ヘクタールだったが、南西方向にあたる隣接地約1.1ヘクタールを市から買い取り、計約5.2ヘクタールに広げる。拡張エリアでは「アジアの森」をテーマに、現地に住むトラやカワウソなどを展示するという。

 「神戸どうぶつ王国」は、「那須どうぶつ王国」の姉妹施設として2014年に開業した。那須どうぶつ王国は面積が43ヘクタールあるが、年間の入場者数は約40万人ほどのようだ。一方、神戸どうぶつ王国は、那須の10分の1の4ヘクタールほどだが、入園者数はおよそ2倍の88万人とのことだ。つまり、神戸への進出の結果、創業の地を大きく上回る成功を収めていることになる。この理由は、おそらく、神戸の立地条件が優れていることによるものだろう。

 那須どうぶつ王国は東京から車で2時間30分ほどの距離にあるのに対して、神戸どうぶつ王国は、人口が集中する関西圏の都市部にあって、ポートライナー沿線で、神戸空港から1駅の5分、三宮から13分、新幹線新神戸駅から14分という屈指の利便性の中にあることが大きな原因であると考えられる。

 神戸どうぶつ王国は、大人から子供まで楽しむことができ、その上、次々に新しい企画が打ち出され、繰り返し訪れたい魅力的な施設である。これだけの集客を実現したのは第一に関係者の努力であることは間違いない。しかし、同じ努力を行ったとしても、施設の立地条件によって、これだけの差が生じるという一つの有力な事例ではないだろうか。つまり、立地条件というものが、集客施設の入園者数を決定づける重大な要素であるということだ。例えば、ハウステンボスは巨大なテーマパークではあるけれども、それでも入園者数は288万人にすぎない。集客施設にとって、立地条件はそれだけ重要な要素なのだ。このほど計画が明らかになった、須磨海浜水族園鴨川シーワールドの関係も、これと類似している。鴨川が入場者数100万人ほどに対して、須磨では200万人を目指すという。

 神戸どうぶつ王国を成功のモデルケースとして、関西圏以外、特に東日本の遊園地やテーマパークの第2の進出先として、神戸には可能性があるのではないだろうか。