日本の都市特性評価2019

 森記念財団都市戦略研究所が発表した「日本の都市特性評価2019」で神戸市は、総合順位で京都、福岡、大阪、横浜、名古屋に続く6位となった。

日本の都市特性評価 | 森記念財団 都市戦略研究所

 

 分野別では、神戸市は、経済・ビジネスで5位、文化・交流で4位、研究・開発10位、交通・アクセス11位、環境35位、生活・居住35位となっている。総合評価では、大都市にもかかわらず、環境や生活・居住の分野で平均以上の評価を得ている「文化と経済力を誇るバランス型都市」と評されている。

 

 神戸市民の描く神戸の自画像としては、経済・ビジネスの点では特筆すべきものがないが、環境や生活・居住は優れている、というのが大多数ではないだろうか。しかし、この調査では、むしろ、経済・ビジネスの分野で高い評価が与えられ、神戸市民が誇る環境や生活・居住は「平均以上」という評価に止まっている。これは神戸市民の自画像に修正を迫るものかもしれない。

 この数年、神戸市は、人口規模で福岡市、川崎市に相次いで抜かれ、ランキングを下げ、かつての5大都市の自信は消え失せ、自信喪失のあまり、自らを極端に小さく見る傾向、神戸市があたかも「自然の美しい小都市」であるかのような自己認識に陥っているのではないだろうか。それらの心象が、神戸市の最近の「村おこし路線」や「三宮構想」の底流にあるように感じる。しかし、この調査での評価に見られるように、神戸は十分に大都市としての実力を持っているのだ。だから、競争を避けて、他の都市が手を付けない「すきま分野」ばかりを狙うのではなく、かつてのように自信をもって、表舞台で堂々とトップを狙ってほしい。

 神戸市が、自らの姿を再確認し、本来の自分の力を認識し、ふたたび大都市としてふさわしい力強い施策を展開することを期待したい。