須磨海浜水族園リニューアル 優先交渉権者の決定 

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 開園から30年以上が経つ須磨海浜水族園の建て替えを機に、海浜公園がより豊かな時間を過ごすための場となり、須磨海浜公園エリア全体の魅力を向上させるものとなることを目的として、須磨海浜水族園及び海浜公園を一体的に再整備するPark-PFI制度を活用した民間事業者の公募を行ったところ、2グループより事業提案の提出がありました。
 学識経験者等で構成する選定委員会において、事業計画などの提案内容を審査し、その結果を基に本市が優先交渉権者(設置等予定者)及び次点者を決定いたしましたので、お知らせいたします。

(令和元年9月12日 神戸市記者資料提供)

 

神戸市:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業 優先交渉権者(設置等予定者)の決定

 

 神戸市は、須磨海浜水族園海浜公園の再整備で、サンケイビルを代表とする「神戸須磨 Parks+Resorts共同事業体」(構成団体 三菱倉庫株式会社、JR西日本不動産開発株式会社、株式会社竹中工務店芙蓉総合リース株式会社、阪神電気鉄道株式会社、株式会社グランビスタホテル&リゾート)を優先交渉権者に選んだと発表した。

 新しい須磨水族園は、オルカスタディアム、イルカスタディアム、アクアライブの3棟で構成され、7階建て80室の宿泊施設も併設される計画だ。

 初期投資額は370億円、2024 年3月末供用開始予定である。

 

 期待をはるかに超えるすばらしい計画だ。特にオルカ(シャチ)を飼育する施設は、鴨川シーワールド名古屋港水族館に続く、国内3つ目の施設で西日本初となる。株式会社グランビスタホテル&リゾートは、鴨川シーワールドの運営会社である。

 鴨川シーワールドは、房総半島の太平洋岸に位置し、東京の都心から2時間ほどかかる場所にあり、決して便利な場所とはいえない。そのためか、年間入場者数は100万人に満たない程度のようだ。一方、須磨水族園は、京都、大阪、神戸の三大都市が連なる関西圏の大動脈であるJR神戸線沿いにあり、きわめて便利な場所にある。また、神戸の交通の中心地である三宮から、鉄道で十数分の場所にあり、広域からのアクセスも抜群だ。

 須磨水族園は、周辺都市にも新しい水族館が建設され、相対的に老朽化しているが、2018年の入場者数は約120万人とのことだ。これらのことから考えると、新水族園が、鴨川シーワールドをはるかに超える成功を収めることは間違いないだろう。

 また、新水族園の建設は、これまで大型の観光施設がなかった神戸の観光振興に大きく寄与するだろう。神戸が、新水族園を核として京都、大阪、姫路などを周遊する関西観光の滞在拠点となる可能性も生まれるだろう。これを契機に、周辺部にリゾートホテルの集積も推めたいところだ。

 投資額は、当初で370億円とのことであり、これだけ巨額の投資を実現できる民間の資金力に驚嘆する。

 神戸の立地条件・交通条件は、全国有数のものである。周辺に2000万人の人口が集中しているだけではなく、新幹線(東海道・山陽、九州)、航空機(神戸、伊丹、関西)など、全国から訪れるのにこれ以上ないくらいに便利な交通網を備えている。神戸は全国から人が訪れるのに最も便利な場所の一つだ。今回の新水族園建設が、神戸の立地条件の良さを立証するモデルケースとなり、今後、第2、第3の広域集客施設が、神戸市内で、民間資金の投資により、建設がされていくことを期待したい。