神戸空港の経済効果

 神戸空港は神戸経済にどのような効果があるだろうか。

(1)空港関連の従業員の雇用増加、物資の供給先としての需要の増加

(2)空港利用者の増加による交通や消費の増加

(3)交通利便性の向上による、企業誘致の促進、従業員の雇用増加

(4)交通利便性の向上による、集客施設等の進出、来街者の増加

 

 (1)と(2)は、おおよそ利用客数に比例して増加する。

 (3)と(4)は、直ちに利用客数に比例して増加するとまでは言えないが、企業進出の場所の確保など一定の条件整備を行えば、中長期的にはプラスの効果を持つと考えられる。現に、ポートアイランド2期にあれだけの企業が集積したのは、空港の設置が大きく寄与したことは間違いないだろう。空港がなければ、市街地の中心部から離れた場所にすぎなかったものが、空港の存在により、空港に近い利便性の高い市街地と評価が一変したからだ。もし、空港がなければ、需要は大きなものにはならなかったに違いない。

 空港の効果は、単に交通だけの問題ではなく、都市の経済と一体として考える必要がある。通過されるだけの街にならないよう意識的に、空港の効果を活かす都市作りを行わなければならない。また、そのような努力をしなければ、空港があるだけでは都市の経済効果は限定的なものでしかないだろう。

 神戸空港の経済効果は、現時点では、まだまだ十分に発現しているとはいえないが、今後、規制が緩和され、便数の増加、国際化に伴い、正しい努力を行うならば、効果が目に見えて現れてくるだろう。