ポートライナー 新線計画(その4)

 神戸空港は、国内で、新幹線と最も隣接した空港の一つだ。この特質を活用する施策を考えるべきだ。

 空港と新幹線が隣接しているメリットは何か。一つは空港と新幹線の乗り継ぎが便利だということである。神戸空港を起点として、広域からの航空需要に応えることができる。もう一つは、空港と新幹線のどちらにもアクセスができるということだ。実は、こちらの方が重要だ。空港と新幹線からの双方からアクセスが可能であるということは、広域から人を動員することが可能であるということだ。この特質を活用して、神戸に集客施設を集積させるべきだ。せっかく、空港が発展しても、それを都市にどう活かすのかを考えないと、単に「空港がある所」にすぎず、素通りするだけの都市になってしまう。

 この第2の点において、バス輸送では、空港と新幹線駅を結ぶことのメリットが活かせないと考える。バス路線では、駅と空港を往復するだけで、街を素通りするだけになってしまうからだ。これでは宝の持ち腐れになってしまう。

 ポートライナーは混雑がひどいといわれるが、これが、ボトルネックになって、実はより大きな可能性が失われていることはないだろうか。十分な輸送力さえあれば、立地可能な施設の進出の機会が失われているということはないのだろうか。輸送力の確保は、それほど重要な問題である。