新神戸駅と三宮駅の一体化構想(その4)

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 この新幹線新神戸駅の乗り継ぎ客についての運賃無料化政策により得られる効果は、新神戸駅の利用客の増加である。仮に、岡山駅並みに利用客が増加するとすれば、新神戸駅の1日の利用客数は約2.5万人(注1)となり、現在より一日あたり1.5万人ほど増加することになる。これだけの人が増加すれば、新神戸駅にかなりの賑わいが生まれるだろう。そうなれば、そこで消費されるお金もかなりの額になるだろう。

 仮に、一人あたり1,000円を支出するとしても、年間で50億円以上(注2)となるので、経済効果も高いと思われる。

 また、四国方面から新幹線に乗り継ぐ利用客が、いったん三宮で下車して買い物や飲食をしてから新幹線に乗車するような利用方法も増えるかもしれない。

 

 この 無料化政策にかかる費用はどのぐらいだろうか。新幹線新神戸駅の1日平均利用客は9,675人(H29年度)であるが、現状では大多数は地下鉄西神線北神急行、市バスの各沿線からの乗客と想像される。

 現在の、JR在来線、阪急、阪神等から地下鉄に乗り換え、三宮駅から新神戸まで移動して乗車する場合の利用客数を、仮に1日1000人だと仮定すると、年間で0.76億円、往復で1.53億円(注3)の旅客収入の減少となる。年1.5億円ほどの負担で、新幹線が三宮に乗り入れると考えれば、安いものだ(注4)。

 

 現在、北神急行に対して、兵庫県と神戸市は、毎年2.5億円ほど補助をしているという。この補助の効果は、北神急行の利用者の負担を軽減することにはなるが、神戸市全体の需要を拡大させるような話ではない。しかし、新幹線乗り継ぎ無料化政策は、外部に流出していた需要を神戸市内に取り戻す効果がある。

 実施にあたっては、たいした投資も必要ないので、試しに1年間程度、「社会実験」で実施してみたらどうだろう。

 

 

 

注1)152万人÷72万人×11,738人=24,780人

 

注2)1,000円×1.5万人×365日=54億円

注3)210円×1000人×365日×2(往復)=1.53億円/年

 

注4)この無料化政策により、増加する乗客分については、考慮する必要がない。なぜならば、もともと得られていなかった料金収入だからだ